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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.104 )
- 日時: 2015/07/18 13:35
- 名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)
最低で最悪な 三日目 Ⅰ
恐れていたようなことは何も起こらず、なんだか拍子抜けしたような、物足りないような、よく分からない気持ちになった。
しかしそんな気持ちも、数秒後にはきれいさっぱり吹き飛ぶことになる。
俺の視界のほとんどは見覚えのある服で埋められ……いや、それはまぎれもなく昨夜 臨也から借りたもので——それにうずもれている自分の身体は、まぎれもなく一匹の猫であった。
(なんでこんな……くそっ 臨也!)
とりあえず服の下から抜け出して臨也が居るはずの部屋にたどり着く。ためしに にぁお、と鳴いてみると、臨也はすぐにこちらに顔をむけて微笑んで見せた。普段はよくよく見ることもないから気がつかないが、こういう表情を自然にできるところは……まあ、いい、のかもしれない。
「おはよう、シズちゃん」
臨也は作業の手を止めて腰をかがめると、手を伸ばして俺を抱え上げた。完全に猫扱いをされていることには納得いかないが、頬のあたりを親指でくすぐられるとつい気持ちよ……なんでもない。
「ごめんね、急に仕事が入っちゃってさ。今日はほとんどここにいられないんだけど」
気持ちよさに細めていた目を開いて臨也の顔を見上げると、気のせいかその目に怒りが浮かんでいるように思えた。しかしすぐに表情を変えてもう一度微笑む。
「そろそろ時間になるから、いってくるね。ごはんはちゃんと用意してあるから」
そう言いながら臨也は愛用のコートを羽織ると、あわただしく部屋を出て行った。
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