BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.18 )
- 日時: 2015/07/18 13:42
- 名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)
静雄が一人になった後、臨也が静雄にナイフを突きつける前。およそ1時間ほど時間をさかのぼる。
(クリスマス、か)
いつもとすっかり変わった街の様子を見て、静雄は自分の恋人を思い浮かべる。なにかプレゼントすればあいつはどうするだろう、何をプレゼントすればあいつは喜ぶだろう、と、こうなればもういっぱしの彼氏だ。
ぼんやりしている、と上司から心配されたが、それの原因もその恋人である。
先日、クリスマスには仕事があるというと、思いっきりへそを曲げてしまったのだ。
(へえ、そう。他の彼女のとこ行くんだ)
(いっつも一緒にいる金髪の娘とか? あの娘、可愛いもんね)
(もしかして、嫌なのかな。嫌いになった?)
そんなわけがない。だが、その時にはもう手の付けようがなかった。静雄の恋人は人一倍ひねくれているおかげで、拗ねるとなかなか元に戻らない。正直なところ、拗ねている時も可愛いと思っているが。それを言うと今度は別の方向で色々と面倒なのと、静雄自身がそういったことを言えるタイプではないため、恋人は未だにそれを知らない。
しばらく歩いていると、ある店のショーウインドーが目に入った。正確にいえば、その中の商品の一つに吸い寄せられた。
(なんとなく・・・・・・あいつに似てるな)
それに自分の恋人の姿が重なり、静雄は店内に足を踏み入れた。
「すみません・・・・・・これ」
そして、その恋人——臨也を抱きしめている、今に至る。
- Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.19 )
- 日時: 2015/03/12 22:34
- 名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: JNqhe2AA)
「じゃ、じゃあその箱って」
静雄の話を聞いた後、頬を赤らめた臨也が問いかける。
「ああ、なんつーか、その、・・・・・・お前に」
臨也はバーテン服をぎゅっと握りしめ、そこに顔をうずめる。
「・・・・・・それ・・・誰かに、貰ったのかと思った」
そのまま、自分の抱えていた不安をさらけ出す。
「・・・・・・仕事って言って・・・誰かに、会いにいくのかと思った。・・・・・・俺と、一緒にいるのが嫌なのかって、・・・俺のこと、嫌いになったのかって、思った。男同士だからダメなのかとか、もっと好きな人ができたのかとか思って、怖く、て」
バーテン服を握る手に更に力を込めて、臨也は小刻みに肩を震わせた。生地に吸い込みきれなかった透明な雫が、ゆっくりと地面に落ちた。静雄は、そんな臨也をただ黙って抱きしめていた。
「・・・・・・そう思ったら、シズちゃんに好きになられた人とか、シズちゃんのことを好きになった人とか、本当に、嫌いになって。俺は・・・・・・人間を愛してる、はずなのに。全ての人間を、平等に、愛してるはずなのに。俺はもう、人間全員を愛することなんかできない。平等になんか、愛せない。ましてやシズちゃんを嫌いになるなんて、できない。・・・・・・シズちゃんの・・・・・・シズちゃんの、せいだ」
静雄が臨也の身体に回した腕に力を込めると、臨也もそれに応えた。
「俺は、」
その体勢のまま、静雄が口を開く。
「俺は、臨也が好きだ。他の奴よりずっと、臨也が好きだ」
「俺は臨也を、愛してる」
「っっっ!?」
臨也の耳が薄暗がりの中でも分かるほどに赤く染まり、顔が冬の冷たい空気の中でも分かるほどに熱くなった。
「み、耳元でそういうこと・・・・・・言わないでよ」
なにしろお互いの息遣いが感じられる距離である。耳にかかる静雄の息から逃れようと、臨也が腕の中で身をよじる。しかし、静雄はそれを許さない。細い身体をより一層強く抱きしめ、臨也を腕の中に閉じ込める。
「ん、くすぐったい・・・・・・からっ」
「まだ、お前の返事を聞いてない」
「だからっっ! そこでしゃべんな、いでってば!」
「臨也」
(ああ、もう、シズちゃんってば無駄にいい声してるんだから・・・・・・)
「ん・・・・・・ぁ、俺、も、シズちゃんのこと・・・・・・愛して、る」
ようやく静雄の腕から解放された臨也は、先ほどから疑問に思っていたことを口にする。
「というかシズちゃん、君、なんか熱くない?」