BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.27 )
- 日時: 2015/07/18 13:45
- 名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)
平和島静雄と折原臨也は、恋人同士である。過去に色々あったものの、現在ではごくごく一部の人間のあいだで、池袋一とまで言われる仲だ。・・・・・・その中に、二人の知り合いもいる、などという噂も聞くが、確かなことはわからない。
クリスマスにちょっとしたトラブルのあった二人だが、すでに今まで通りの仲、むしろ今まで以上に仲が良くなっていた。
二人の愛はとどまることを知らない。例えば——
「シズちゃん、あーん」
「・・・ん、」
新宿、臨也のマンションの一室。そこには、うさぎの形に切ったリンゴを満面の笑みで差し出す臨也と、少し照れたようにそれを食べる静雄の姿があった。
「ね、シズちゃん、美味しい?」
臨也はベッド脇に座り、嬉しそうに静雄の顔を見つめている。
「・・・・・・おう」
静雄はベッドの上に座ったまま、臨也にリンゴを食べさせられている。別に強要しているわけではないのだが。臨也がベッドから降りることを許さなかったのだ。多分、先ほどのやり取りがしたかったのだろうが。
「シズちゃん、知ってる?」
臨也が静雄に顔を近づける。このまま何かが始まってしまう前に、これまでの出来事を少し説明しておこうと思う。
- Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.28 )
- 日時: 2015/02/18 18:28
- 名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: sj9OXI0G)
平和島静雄が風邪をひいたクリスマスの翌日、彼が最初に見たものはーー彼の腕の中で眠る、可愛い恋人の姿だった。彼が愛してやまない、折原臨也である。
心地よさそうに寝ているその姿は、以前の臨也からはとても想像できないものだった。静雄とケンカという名の殺し合いをしている時とは、雰囲気がまるで違った。
そんな臨也を間近から見た静雄が思ったことは、
(なんか・・・・・・臨也らしいな。風邪引いてんのによ)
だった。
静雄に限定していえば、その寝顔は珍しいものでも、おかしなものでもなかったのだ。臨也は静雄のそばで眠るのが好きらしく、よく静雄のいるベッドに潜り込んでくるのであった。
「ん・・・・・・」
臨也は小さく身じろぎすると、静雄の身体にすり寄った。甘えるように静雄の胸板に顔を押し付ける。しばらくすると、不意についと顔を上げて、目を開く。紅い瞳が、サングラスをかけていない静雄の目と合うと、臨也はやはり幸せそうに微笑んだ。
「おはよ、シズちゃん」
「熱、まだあるみたいだね」
臨也は静雄の額に手を当て、そう言った。そして携帯電話を取り出して、いじり始める。それは紛れもなく静雄のものだった。
「お前、人のもん勝手にいじるなよ」
「だって、仕事先に連絡しないと、でしょ?」
「いや、こんくらいなら別に」
そう言ってベッドから降りようとした静雄は、臨也によって力尽くで押し戻された。
「駄目だよ。新羅じゃないけど、風邪は万病の元、ちゃんと休むべきだ」
「だったら、俺が「駄目だってば」
言葉を遮られた静雄は、怪訝そうに臨也を見た。しかし、臨也は視線を逸らして携帯電話を操作する。
「田中トムさん、だよね」
カチカチカチ、と打鍵音が数回聞こえ、そのあと携帯電話を耳に当てた。臨也はつながった電話の相手と話しだし、途中でちらりと静雄の方を見た。
「ええと…」
臨也にしては珍しく言いよどむ。
「恋人・・・・・・いえ、冗談ですよ。ただの友人です」
「おい、臨也!」
静雄がびっくりして思わず声を上げるが、臨也は口元に人差し指を当て、静かに、と言った。心なしかその頬が赤くなっていた。
臨也はその後相手と一言二言言葉を交わし、電話を切った。
「ごめん、その・・・・・・シズちゃんがいつもお世話になってる人くらいには言っておこうと思ったんだけど」
そこで一度言葉が切れ、
「やっぱり・・・・・・恥ずかしくって」
と続いた。
「・・・・・・携帯、ありがと」
静雄に電話を返し、背中を向ける。
「・・・・・・リンゴでも持ってくるね」
そう言って部屋を出て行った臨也が戻って来た時には、いつもの調子に戻っていた。
そして、この状態になっていた。