「シズちゃん、知ってる?」「風邪ってさ、口移しできるんだって」「口移しっていっても、全部じゃないみたいだけどね」「つまりさーーキスしたら、シズちゃんの風邪も軽くなるかもってことだよ」 ギシ、とベッドがなった。ベッドの上に身を乗り出した臨也が、ゆっくりと顔を近づける。「ね、シズちゃん」 臨也が挑発するように言う。その目はいたずらっぽく光っていたが、上目遣いで静雄からのキスを待っていた。 そして静雄は——