BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.96 )
日時: 2015/08/30 15:19
名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)

最低で最悪な 二日目 Ⅱ

「あっあれ!? 今の人って」
「平和島さん、ですよね」
「う、うん・・・・・・でもあれ、なんで・・・・・・見間違い?」

「ねぇねぇ、あれ見てクル姉! あれって静雄さんだよね?」
「・・・・・・まさか・・・・・・ほんとうに・・・・・・?」
「だってほら! ・・・・・・あ、行っちゃった」

『あれ、今の・・・・・・』
「どうしたんだい、セルティ」
『いや、今さっき静雄が通り過ぎていった気がして』
「ああ、また臨也と喧嘩でもしてるんじゃない?」
『そうかもな』
 (頭に何か付いてた気がしたけど・・・・・・まあ、気のせいか。静雄かどうかも分からないしな)

「おい青葉ぁ、なんかさっき上 通んなかったか?」
「なんかって何だよ、ゴキブリかぁ?」
「なんでゴキブリなんだよ」
「うげぇ、ゴキブリゴキブリ連呼すんなよ」
「レンコってなんだぁ?」
「おめー、頭わりぃ」
「殺す」
「うぐっ! ギブ! ギブ!」
「・・・・・・平和島 静雄・・・・・・まさかあいつに、そんな趣味があったなんてね」
「なんか言ったか、青葉」
「きひっ 悪口かぁ?」
「チョーシこいてんじゃねーぞ、青葉よぉ」
「違うって。なんでそうなるんだよ」

「見て見てドタチン! シズシズが!!」
「静雄がどうした」
「シズシズが、ネコミミ付けてビルの上を走ってるよ! あっ、しっぽも!」
「は?」
「ようやくシズシズもイザイザへの愛に目覚めたのね!」
「それはない。ていうか、あいつに限ってネコミミとかはねえだろ。見間違いじゃねえのか」
「いやいや、あれは確かに静雄さんっすよ。でもどうせなら、静雄さんみたいな三次元の人じゃなくて、二次元の可愛い女の子の方がいいっすよねぇ」
「・・・・・・突然ネコ化しちゃったシズシズ。家にこもっていようとしたけど、猫になってしまったシズシズは発情期のようで・・・・・・苦しくなったシズシズは、イザイザのところへ向かうの。でもイザイザはシズシズのことがずっと好きで、抑えられなくなったイザイザはっ!」
「駄目だこいつら・・・・・・」


 耳元で、ごうっと風が唸るのが聞こえる。別に風が強いわけではなくて、俺が全力で走っているからだ。
 アパートを飛び出したはいいものの、耳としっぽ(しっぽは後から見つけた)を生やした状態では目立ちすぎる。人の目に触れないことを考えると、普通に道を歩くわけにはいかない。しばらくアパートの前で考え込んだ結果、建物の上を走って行くことにした。
 といっても、そう難しいことじゃない。以前から臨也のやつを追いかける時にしょっちゅうしていたし、その臨也に嵌められて、ビルを使って逃げるはめになったこともある。それと同じようにすれば、簡単にできる。
 ビルの上から下を見ると、よく知った面々がこちらを向いていた気がしたが、それを気にしている余裕はなかった。

Re: デュラララ!! シズイザ小説!?【BL】 ( No.97 )
日時: 2015/07/18 13:37
名前: 夢埜 ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)

最低で最悪な 二日目 Ⅲ

 ようやく臨也のマンションに着き、深呼吸して荒くなった息を整える。何度かそれを繰り返して、呼吸がいつものスピードになると、今度は声を出すために、大きく息を吸い込んだ。
「いーーざーーやーーくーーん
 あーそーびーま——」
 ガチャリと音を立てて目の前のドアが開き、行き場のなくなった足をその場に下ろした。
「シズちゃん、息切れするほど急いでくれるのは嬉しいけどさ、いいかげんにすぐにドアを蹴り壊そうとするのはやめてくれないかな」
 ドアの向こう側で呆れたような顔でそう言ったのは、言うまでもなく臨也だった。
「・・・・・・言われた通り、」
 きてやったと言うよりも先に、臨也は俺に中に入るように促す。
「まあ、話をするにしても、しないにしても、外じゃなんでしょ。入っていいからおいでよ」
 臨也は少し考えるように間を置いて、にやりと笑って続けた。
「・・・・・・そうだね、ちょっとくらいなら、一緒に遊んだりしてあげてもいいよ」
「はぁ?」
 今こいつは遊ぶと言っただろうか。本気か? そんな歳でもないだろうが。大体俺とこいつは仲が悪い。俺がこいつの家に来ていること自体有り得ないっていうのに、この上 遊ぶだなんて、どうかしたとしか思えない。
 違和感に首を傾げながらも、俺は臨也の後に付いて中に入った。