BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.10 )
- 日時: 2015/03/19 22:10
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
翌朝、彼が指定した待ち合わせの場所に向かうと、彼は俺を待っていた。
「清水、早いな」
「大したことありませんよ。先輩が起きるのが遅いだけじゃないですか?」
悪戯好きな猫のような表情で挑発的な口を利く彼に、生意気さと自分の意見を物おじせずに言うことができる芯の強さを見た気がした。
俺達ふたりは、一歩ほど距離を開けて歩く。
ふたり並んで歩くと、カップルだと誤解されてしまう可能性があるからだ。しかしながら、彼と登校できて嬉しい反面いざ会話をするとなると何を話していいのかわからない。あれこれと脳内で考えていると、彼の方から口を利いてきた。
「先輩は音楽とか好きですか?」
「好きだけど、それがどうかしたのか」
すると彼は恥ずかしそうに頭を掻いて、
「実は今週の土曜日に音楽のイベントがあって、そこに僕も参加するんですが、暇なら見に来てくれないかな〜と思って」
音楽のイベントというのはあまり馴染みがなかったけれど、清水が参加するというのであれば話は別だ。彼のことを今よりもっと知って仲良くなるためにも、イベントに行ってみる価値は十分にある。
「土曜日暇だから、行ってみるよ」
「それは嬉しいっすね。一応、チラシあげておきますね」
彼がかばんから取り出した一枚のチラシには、開催場所と時間が書いてあった。もしかするとこのチラシは俺のためにわざわざ彼が用意してくれたものなのかもしれない。考え過ぎの可能性もあるが、ここは彼の思いやりと解釈し、ありがたく受け取ることにしよう。気が付くと、いつもは歩いて十分ほどかかる分かれ道に、五分で到着していた。やはり、気の合う奴と話しながら歩いていると自然と移動速度も速くなるらしい。
「じゃあ先輩、また明日会いましょう」
「ああ、そうだな」
昨日と同じように分かれながらも、イベントが開催される土曜日を待ち遠しく感じた。