BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.11 )
日時: 2015/03/19 22:20
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

土曜日。
朝一番に起きた俺は、身支度をして外へと飛び出した。
空は雲一つない快晴で、適度に冷たい風が吹いており、気持ちのいい日だ。こんなにいい日にイベントが行われるのだから、きっとたくさんの人が集まっているはずだ。
けれど、俺の予想はいい意味で裏切られた。
たくさんの人数どころか、数えきれないほどの人がライブ会場に集まっていたのである。この集まりようは、こどもたちに人気の特撮ヒーローに勝るとも劣らないだろう。
しかし、『ロリっ娘アイドルのハニーちゃんと一緒に楽しく盛り上がっちゃおう♪』というライブの名称からして、清水と関連性が結びつけることができなかった。いや、待てよ。あいつは確かに参加しているとは言ったものの、ステージで何かをしているというニュアンスを含んでいるような口ぶりではなかった。と、すると奴はこの群衆の中に紛れている可能性が高い。右を見ても左を見ても、まるで通勤ラッシュ時の満員電車のようなおしくらまんじゅう状態で、とてもじゃないが、清水を見つけることはできそうにもない。
俺は仕方なく、群衆の波をかき分けてステージの周辺から離れ、彼の携帯に電話をかけた。だが、携帯の電源は切られており、通じなかった。
「あいつ、どこにいやがるんだ……」
若干の苛立ちを覚えたものの、持ってきたペットボトルのミネラルウオーターを飲んで冷静さを取り戻し、この場はライブイベントを楽しんだ方がいいと発想を切り替え、ステージに注目することにした。
すると急にステージに設置されていた証明がパッと輝き、観衆が一斉に歓喜の声をあげる。どうやら、ライブイベントの主役であるハニーちゃんとやらが現れたらしい。どんなアイドルなのかと気になったため、再びファンの輪の中に入る。
幸い俺は客席連中では長身だったため、そのアイドルの姿をよく見ることができた。金髪のゆるやかなウェーブに、ぱっちりと開いた大きな瞳に色白の肌、黄色と白を基調としたフリルのたくさん付いたゴスロリを身に着けた童顔で小柄な美少女は、ペコッと可愛らしく頭を下げる。女を見る目はあると自分では思っている俺でも、思わず顔をそむけたくなるほどの愛くるしさを放つハニーちゃんは、アイドルと称されるのに相応しい存在だと思う。
容姿もさることながら、その歌唱力が半端ではなかった。
幼くあどけない甘い声、俗にいうロリ声は、歌声を聴いたものを魅了し、たちまちとりこにしてしまう魔法のような不思議な力を感じられた。だが、彼女の声と容姿を見ていると、なんとなくではあるが、俺の知っている人物に似ているような感覚を覚える。それにしても、清水はどこをほっつきまわっているのだろうか?