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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.14 )
- 日時: 2015/03/20 05:46
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「先輩、今日も僕より到着するのが遅かったすね」
案の定、目覚ましより早く起きた俺は二度寝してしまい、その結果約束の時間に遅れてしまった。清水は聞き取れないほど小さな声で何かを言っていたが、それはきっと待たされたことに対する愚痴だろうと推測する。
「先輩は何がみたいんですか」
映画案内を見ながら彼が訊いた。
「お前はどれが見たいんだ?」
「先輩にお任せしますよ」
言われて、俺は腕組をして考える羽目になってしまった。
軽く見ても15本以上の映画が公開されているが、上映時間などを考慮すると、なるべく待たずに始まる映画は3本しかない。どれにした方がいいだろうか。
3本のうち1本を選ぶのはなかなか勇気ある決断だったが、悩んだ末にSF映画に決めた。映画館の中は人が少なかった。日曜ともなれば映画を見る客達でいっぱいのはずなのだが、お昼時、それも映画館とはいえマイナーなものばかり揃っているのだから無理もない話と言えばそうなのだが。
「ポップコーン買ってきますね。飲み物は何がいいですか?」
「烏龍茶でいい」
コーラなどの炭酸飲料が昔から苦手でどうしても飲む事ができなかった。それは今でも変わらないが、清水はきっとヘタレの俺と違って炭酸飲料水を飲む事ができるに違いない。ところが、彼が自分専用の飲み物として買って来たのはアイスコーヒーだった。
「コーヒー、好きなのか」
「大好きですよ」
「そうか」
小さい頃、コーヒーはとても苦くてまずいものだと思っていた。
けれど成長するにつれて、段々とその美味さが分かるようになってきた。そのおかげで、清水と会うこともできたし、コーヒーには感謝すべきかもしれない。
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