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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.18 )
- 日時: 2015/03/21 18:33
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
俺達ふたりは映画を見終わった後、近くの喫茶店で昼飯を食べることにした。2人用のテーブル席につき、メニューを選ぶ。
俺はカレーライスとコーヒー、清水はオムライスとコーヒーを注文した。店員がメニューを確認して去ると、彼は水を一口飲んで言った。
「先輩、僕の事好きでしょ」
「!」
彼は頬杖をつき、ジト目で俺を見つめる。
その瞳にはいつもとは違う冷たい雰囲気が漂っている。
言い訳は不要だと考えた俺は、ダメもとで自分の思いを告げてみることにした。
「そうだ」
「やっぱりね」
「清水、お前さえよければ俺と付き合ってくれないか?」
「あんたバカじゃないの」
「なっ……」
「会って一週間しか経っていない相手に、それも同性に対して普通告白するなんてバカっすよ。そんな短い期間で相手のことをよく知りもしないのに、その場の感情に任せて勢いだけで告白し、相手を口説き落とそうとする——残念ですが、僕には先輩の考えが丸見えですよ」
彼が言った言葉は、まさに俺の心情そのものであり、その眼力の高さに驚愕するとともに、自分がいかに愚かであるかということを嫌というほど思い知らされる。
更に彼は、満身創痍である俺の心に止めの一撃を炸裂させた。
「本物の恋愛、それも同性を好きになった場合は特に——漫画や小説のようにうまくいきませんよ。それを実は心の奥底であんたも分かってたんじゃないすか?」
「それは——」
口を開きかけるが次の言葉がなかなか出てこない。
すると彼は微笑を浮かべ、
「残念かもしれないっすけど、今は恋人として付き合うことはできないっすね」
恋人として付き合うことはできない。
だが、裏を返せば嫌いになったというわけではなく、友達としては付き合ってもいいというニュアンスが含まれていることを察した俺は、まだ希望が失われた訳ではないと内心喜んだ。
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