BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.19 )
日時: 2016/01/10 05:15
名前: モンブラン博士 (ID: akJ4B8EN)

行きつけの喫茶店でひとりの男にあった。
名前は、出雲雄三(いずもゆうぞう)。
中の下の外見で深慮深い性格の、俺、清水天(しみずてん)の通っている中学の先輩だ。俺は彼の事を敬意と親しみを込めて、「先輩」と呼んでいる。最も、本人はそう呼ばれて嫌な顔をしないということは、俺が付けた愛称を気に入っているんだろう。俺と彼は歳は少し離れているが、仲がいい。ぶっちゃけた話、付き合っても悪くないと内心思っていたりする。もちろん、男同士で付き合うなんて言ったら普通の女子はドン引きするだろうけど。

アレは忘れもしない日曜日の夕方近くの頃だった。
俺は日曜日ということもあってバイトもなく、家でゴロゴロしていた。
けれど母さんが俺の部屋に入ってきて、「部屋でゴロゴロばかりしてないで、外に遊びに行きなさい」と言ってきた。うるせぇなと思ったが、下手に彼女の機嫌を損ねると、ゲンコツ攻撃が炸裂されるため、少々不満だったけれど、読みかけのライトノベルと財布を小型のリュックに入れて外へ出ることにした。空は快晴だけど、心の中は少し曇り気味だった。家を出てしばらく歩いたけれど、特に何の収穫もない。
ただブラブラしているだけなのは、時間の無駄だと考えた俺は、行きつけの喫茶店に向かうことにした。

喫茶店に一歩足を踏み入れた俺は、少し口をポカンと開けて呆然としてしまった。らしくないとは思ったが、それほど目の前の光景が信じられなかった。いつも座る窓側の席に、先客がいたのだ。
他の奴なら、きっとこう言うに違いない。
「席を取られたぐらいで大げさだ」と。
だが、俺にとっては大問題だった。
1番景色がいい窓側の席に座って読みかけのライトノベルを読みながら、この店自慢のコーヒーを飲む。それが密かな楽しみであったため、先に座られてしまった悔しさは堪えようにも堪えることができずにいた。なんとしても座りたい、あの席に。
その一心で男性客の肩を叩き、口を開いた。

「隣、座ってもいいですか?」