BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.20 )
日時: 2015/03/22 18:08
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

真正面に座っている男子は、先ほどから黙って俺を見つめている。
そうじっと見つめられると、ライトノベルを集中して読む事ができない。とはいえ、彼の座っているところに相席をしてもいいかと言ったのは俺だから、自業自得だけど。仕方がない、視線は少し気になるけど、そのまま読み進めるとするか。すると、不意に彼が口を開いた。

「あの、どうしてこの席を選んだの? 他にも席はたくさん空いているのに」

正直、ウザいと思ったが相手の気を悪くしてはいけないと思い、彼の顔を見ないように外の景色を見るふりをして言った。

「景色が見たいからですよ」

初対面、それも年上であるから自然と丁寧な口調で返したが、これは正しい判断だと思う。これで読書を再開することができる。
そう安堵したのも束の間、彼が次の言葉を発した。

「でも、俺からしたら景色よりライトノベルって感じだけど、本当にそれだけが理由なのかな?」

ああ、ウザったい。
こうなったら、黙るしかない。
けれど彼は構って欲しくない俺をなぜか心配そうな顔で覗き込み、

「もしかして、俺、怒らせるようなこと言ったかな……?」

「別に」

短く答え、彼との対話を終わらせようとした。
それから数分が過ぎたが、俺の心はライトノベルどころではなく、目の前の相手にそっけなく答えてしまったことに罪悪感を覚えていた。そして気が付いたら、こんなことを言っている自分がいた。

「コーヒーの代金、僕が払ってあげましょうか?」