BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.24 )
- 日時: 2015/03/23 17:55
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「これでも僕を好きっすか、先輩?」
トランクスタイプの水着姿になった清水は俺の目の前に立っている。
ビーチに降り注ぐ日差しが暑く、本当ならば一刻も早く海に飛び込みたいぐらいだが、それを彼が制止して、いきなりそんなことを訊ねたのである。水着姿の彼はいつもより色っぽかった。
俺からすれば日焼けを知らないと言ってもいいほどの白い肌。
潮風に吹かれ波打つ柔らかな茶髪(染めているわけではなく、地毛だということが最近判明した)に男らしく広い肩幅に太い首筋……それらが絶妙なバランスであるために、女とはまた違った意味での色気を感じるのだ。彼の容姿に思わず目を逸らそうとすると、彼が告げた。
「先輩、視線を逸らさないでください」
彼の言動はいつものように冷めていながらも、どこか真剣みがある。
これ以上見ていたら、呼吸が荒くなりそうで怖いが、彼が見てほしいというからには何か訳があるに違いない。そう考え直し、改めて彼の容姿を拝見する。
すると、俺はあることに気が付いた。
彼の腹の中心にある大きな凸。
それは大豆ぐらいの大きさはあると思われる綺麗な丸型の見事な出ベソだった。
「清水、お前……」
「僕は出ベソなんですよ」
そう言った彼の口調は、今にも泣き出しそうなものだった。
彼は男にしては細身であるため、その出たヘソが一層強調されおり、非常に目立つ。一瞬視線を砂浜の地面に落とした彼だったが、何を思ったのかフッと顔をあげる。その顔を見た俺は、驚きのあまり息を飲んだ。
今まで俺と接している時、ポーカーフェイスが多かった彼が、その大きな瞳から一筋の滴を流したのである。
泣いている、あの清水が。
俺に告白したときも動揺する素振りさえ見せず、冷静に対処しその時の感情を看破して指摘した彼が、体を小刻みに震わせて泣いている。
目の前の彼は1粒どころか10も20も大粒の涙を流し、彼の流したその水滴は砂地に堕ちて地面を濡らしていく。
泣いた美形の顔は美しいという言葉を以前聞いたことがあるけれど、今の彼から伝わってくるのは、俺から嫌われるのではないかという恐怖と出ベソな自分が嫌いだという自己嫌悪感、そして深い哀しみだけだった。