BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.4 )
日時: 2015/09/10 08:07
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

俺と彼は公園のベンチに座り、ジュースの蓋を開ける。
ちなみに彼が持っているジュースは俺が彼に奢ってあげたものだ。
だが、本当に彼はこのようなものでいいのだろうか。
本来ならばもっと高価なものを願ってもいいはずなのに、彼は俺にまたしても気を使ったのではないだろうか。
そんな不安と疑念を抱いていると、彼がポツリと呟いた。

「そう言えば、自己紹介してませんでしたね。僕は清水天(しみずてん)です」

「俺は出雲雄三(いずもゆうぞう)だ」

清水天という彼の名前を聞いたとき、一瞬ところてんと勘違いしてしまった俺はバカだ。

「出雲さんは、今高校生ですか?」

「ああ……今年で2年だ」

「高校って楽しんスか。僕はまだ中学三年ですから、高校がどんなところなのかよくわからなくて」

「俺が言うのもなんだが、結構楽しいぞ。中学とは違うことだらけだ」

「そうっすか」

段々と清水が馴れ馴れしい態度になってきたなと思いながらも、嘘をついた自分自身を責めていた。
なぜ、俺はコイツにこんな嘘をついてしまったんだ。
だが、言ってしまった言葉は取り返しがつかず、かと言って相手もまた俺の発言をそこまで気にしている様子ではなかった。
ほっと一息ついてると、彼は飲み終わった空き缶を燃えないゴミ入れに放り投げた。空き缶は見事な軌道を描きゴミ箱の中に命中し、中へと消えていった。

「さてと……そろそろ行きますか。あんたと話して結構楽しかったっすよ」

「俺も会えて楽しかった。また会えるといいな」

こうして俺達は別れたが、後日彼と思わぬ形で再会することになろうとは思ってもみなかった。