BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.8 )
- 日時: 2015/03/19 21:42
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
教室に入り、カバンを机の上に置いて教科書を取り出す。
そしてトイレに行く。
何もトイレは登校早々行くものではないかもしれないが、行きそびれると列になり大変な目にあう羽目になる。
そのため、なるべく早めに用を足しておいた方がいい。
トイレに行った後は、何をするでもなくただ時間が過ぎるのを待つだけだ。こうしている間にホームルームの時間になった。
退屈な授業が終わり、昼食時間になる。
弁当はどこで食べるか。友達のいる連中は、きっとそんなことを考えているに違いない。だが、俺は友達がいないため、そんなことを考える必要はなく、教室の自分の席で弁当を食べた。ひとりで食べて面白いのかと自問自答することがある。そのときの俺の答えは決まっている。話が合わない人間と食べても面白くないに決まっている。
——昔から、そうだった。
話が合わないため友達ができず、結果俺は常に孤独だった。
顔立ちが優れていれば、女子から人気が出たかもしれない。
顔が悪くてもスポーツ万能だったり、成績が優秀であれば、自然と人は興味を持つ。だが、俺は美形でもなければ成績優秀でもなく、スポーツ万能でもなかった。
つまるところ、俺は学校のスターではない。
なんの特徴もなく、話しても対して面白い話の出来ない俺に話しかけてくる奴など、ひとりもいなかった。だからこそ、清水が声をかけてくれたのが嬉しかったのかもしれない。今まで自分と近い年齢の人間と自分から進んで会話をすることなどなかったが、あいつとは打ち解け合うことができた。それに同じ中学に通っているということもあり、親近感がわいてきていた。恋とまではいかなくても、俺はあいつに何か特別な感情を抱いていることは確かな事実だった。
そして昼休みが終わり、午前と同じように授業が始まる。
全ての授業と清掃が終了し下校時刻になった。
帰り道を歩きながら、俺は密かに清水に会えるかもしれないと期待していたが、やはり下校時間が違うのだろうか、残念ながらこの日は彼と一緒に帰ることはできなかった。けれど、携帯電話の番号とメールアドレスは知っている。
もしかすると、あいつからメールがかかってくるかもしれないじゃないか。そう考えると気持ちが前向きになり、猫背になりかけだった背筋が伸びて足取りに自信がつき、速度が上がる。こうして俺は、いつもより軽い足取りで帰宅した。