BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【HQ腐】薔薇を主に時々百合を【カゲ腐ロ】 ( No.14 )
- 日時: 2015/06/14 15:43
- 名前: 理沙 ◆io5KnRZ/.g (ID: MHTXF2/b)
〈1影日〉変わらぬ日々に、変わらぬ愛を
*なんか影山さんの独白みたいになっちゃった。
深夜。
勢いよく体を起こして、俺は息を吐いた。
体はまるで頭から冷水を被ったのごとく汗で濡れている。
気持ちわりい。
隣でもぞり、と寝返りをうった暖かい熱を起こさぬよう、ベッドからひっそりと床に足をつけた。
嫌な、夢を見た。
くらくて、くろくて、だれもいない。
ひなた、と呼んでも、日向の姿は無かった。
あの光景を思い出してしまい、ぶるりと身が震える。
もう考えるのはやめよう。あと二時間もすれば日向も起きる。
それまでシャワーでも浴びて朝御飯を作っていよう。
ベッドですやすやと安らかに眠る日向を見ながら、そんなことを考えていた。
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流れ出した水が頭を滴って体を濡らした。
これなら、汗も流されていく。
そして、夢も流してくれるような気がした。
「あ"ー、バカみてえ。」
黒い髪から水が滴りおちた。うずくまってため息を吐き出す。
もう立派な社会人のくせして、悪夢で怖がるなんて。
情けないやら、日向にみられたらからかわれそうで嫌だ。
否、でも。
こういう時は甘えるのが一番だ。
俺の心情を誰よりもわかっている日向なら甘えさせてくれる。
こんな思考、前はしなかったのに。
そもそも中学の時は誰にも頼らない、貸しを作らない、弱さを見せない、それがモットーであり自分のなかの誓いみたいなものだった。
誰かを頼って、貸しを作って、弱さを見せて。
そんなの出来るはずなかった。
弱い影山飛雄。そんなものはいらない。ただ、勝利だけを欲した。
思えばあの頃はまあまあにバカだったなあ、と思う。
体を無造作に拭いながら、鏡を見つめる。
背も伸びた。時々日向が身長が伸びない当て付けか、なんて怒るけど。
顔も大人びた。時々日向が童顔な俺への当て付けか、なんて怒るけど。
心も少し、成長したはず。これだけは、男前な日向には勝てないけど。
新しい服を着て、べちべちと頬を叩いた。
今日は休み。たくさん甘えれる。
さて、日向を起こしにいくか。
伸びをして、扉を開けた。
end。