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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: アニメ小説まとめ【BL】*リク受付中! ( No.15 )
- 日時: 2015/07/24 23:27
- 名前: 透理 ◆AqeJ5zOxmI (ID: /GGwJ7ib)
【No.5-2】影山×日向【ハイキュー!】
——〈絶対王政〉続き
*
「ん」
あちぃ、と言って手で仰いでいる影山の胸元に肉まんを差し出す。
影山は其れを受け取って、暗い地面を歩み始めた。
「てかさぁ、今度からアイスにしようぜ。いくら何でも季節はずれすぎる」
肉まんを両手で掴んでポツリと呟く。
「まあ、そうだな」
影山の提案に頷いた。
「ほら」
影山が右手を差し出してくる。
その手には湯気を出して如何にも熱そうな肉まん。
「え、いいの!?」
自分でも分かるくらいの満面の笑顔をして、両手で丁寧に受け取る。
店の明かりでちらりと見えた影山の横顔は、口角こそはムス、と下を向いているものの、顔はほんのりと赤らんでいた。
付き合ってもう半年。付き合い始めて見れるようになった、この顔。
それが余計に嬉しくて。
「ありがと、影山!」
「……おう」
池のほうから牛蛙の鳴き声。
ふふ、と笑いながら影山と肩を並べて歩いていると、店の並んだ場所から離れて、暗い道に入る。
明かりが減って、黒い空に広がる星。
「日向」
「何?」
静かな暗闇に二人の短いやりとりの声。
「……今日、オレんち来い」
「うん。……うん?」
突然の“お誘い”に思わず尋ね直す。
暗くて影山の顔が見えないのが、少し不安だった。
「お前んち、今クーラー壊れてんだろ。……うち、ガンガンだぞ」
クーラー故障を使って、下手な誘いをされる。
それにきゅん、って胸が握りつぶされそうになったのは、内緒。
「……行く」
静かだから聴こえてしまっていないかな、この心臓の音。
早く流れる血液に落ち着け、と言い聞かせながら、影山の右手の小指だけをぎゅっと握った。
〔続く〕
※次回、R-15になってしまうかもなので、注意です。
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