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Re: アニメ小説まとめ【BL】*リク受付中! ( No.16 )
日時: 2015/07/25 16:57
名前: 透理 ◆AqeJ5zOxmI (ID: /GGwJ7ib)

【No.5-3】影山×日向【ハイキュー!】
  ——〈絶対王政〉続き(※R-15?注意)



  *


 「ん」
「ありがと」
影山から白いマグカップを受け取る。
中を覗き込むとすう、と香ばしいコーヒーの香り。ゆっくり小さくマグカップを揺らすと、中で弧を描くように波打った。
確かに影山の家のクーラーはガンガンだった。ききすぎて少し寒かったのを察したのか、温かいものを持ってきてくれたみたいだ。

「……苦くない!」
ほう、と肩を楽にして息を吐く。
「ああ、甘めにしといた」
影山はベッドに腰かけてコーヒーを啜る。
こういう細かなところに気付いてくれるところが、不器用な影山の優しさ。
コト、という小さな音を立てて縦に並んだコースターにマグカップを置くと、其れに続くように影山もマグカップを置いた。

「おまえ……家に電話は?」
「あ、今する!」

ポケットから携帯を取り出して『自宅』と登録されているところを押す。
耳に近づけると、プルル、と呼び出し音が鳴った。やがて受話器を取る音が聴こえて、もしもし、という声。

「もしもし、翔陽だよ。——うん。あのね、今日影山んち泊まる。うん——え? 影山に代われ?分かった。かげや——ひゃ!?」

母さんと話していると、肩に重みがかかって思わずネズミのような短い声をあげる。
バクバクと心臓を鳴らしながら後ろを向くと影山が上半身を乗り出して俺の頭に顎を乗せているようだった。
影山が俺の手からスマホを奪い取って話し出す。

「お電話代わりました、影山です。いつも翔陽君にはお世話になっております。——っす、大丈夫ですよ、オレから誘ったんです。——はい、はい、失礼します」

ぷつ、と電話を切ってスマホを返される。
「影山、外面良いんだな……」
呆気に取られて口の中で呟く。
「まあな」

「……ベッド乗れよ」
ぐいっと脇下を掴んで引っ張られる。その勢いでベッドに押し倒され、右腕は頭の上で押さえつけられている。
空いている左手で影山の胸元を押して「おーい、影山……何?」と引きつった笑いを作った。

「訊くまでもないだろ」
え、と開けた口を唇で押さえつけられる。
股の隙間に入っていた影山の左足が一歩上に上がる。
耳まで熱を感じ、え、え、と短い言葉を発していると、はは、と影山が笑う。

「あ、影山。今なんか胸がきゅう、ってした」
「……翔陽」
耳元に落とされた声がくすぐったかった。
横から香る影山の匂いに力が抜けて、ぎゅっと首に腕を回して抱き寄せた。

「影山落ち着くぅ……」
「っ!? 日向ボケェ!!」
影山の横顔が赤に色づく。

「手加減しねぇぞ」
「えぇー! ……ははっ、王様の仰せのままに」




【No.5-3】影山×日向【完】
——〈絶対王政〉
 ハッピーエンド