BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: Various Love story… ( No.10 )
- 日時: 2015/09/30 21:55
- 名前: Re:rate (ID: lQjP23yG)
- プロフ: http://s.ameblo.jp/zjrc35a8kz/entry-12069762247.html
ッ…さ、切り替えないと…
はーい最終話。
「シンタローさん…大丈夫っすか…?」
そんな口先だけの言葉を並べる。
理性を飛ばしたセトにはもうそのような心配など、心外な程皆無なのだろうに。
「…平気だッ…すげ、気持ち良い…ッ…」
続きをするように促すと、一層激しく腰を打ち付けられる。
「腰、自分から動かすなんて…随分と淫乱っすね…?」
「や、ッ…違、そんな、つもりじゃ…ッ…」
「でも淫乱に変わりはないんじゃないっすか…?
…毎晩誘ってくるんすし…」
自分から動くなんて事は全く意識していなかった。だが快楽に勝てなかったという事実は確かにある。
「だって…お前、誰にでも…優し、からッ…」
何故今言ったのか、自分にも分からなかった。
これ以上言ってはいけないと思いながらも、開いた口は止まらない。
「俺ッ…お前の特別になりたくて…ッ…でもお前は…俺の事なんか選ぶはずがねぇし…どうしたら良いか分かんなくてッ……」
先程からの余韻で上がった息の中で、俺は全てを打ち明けた。
セトは目を見開き、また優しい顔で微笑む。
「本当…変な所で不器用なんすから…」
そう言い残し、俺にキスをした。
そしてセトの舌が口内に入ってくる。
俺はそれに応えるようにくちゅ、という音を立てて舌を絡める。
やがて離れると、名残惜しいかのように銀色の糸が互いの舌の間を伝う。
「これで安心したっすか…?
俺も同じように、シンタローさんの事を想っているんすよ…」
駄目だ
今顔を合わせたら、涙が溢れてしまう
そう思い、咄嗟に顔を背けてしまった。
それなのに
「シンタローさん…顔、見せて…?」
そんな甘い台詞に従順になってしまう。
今俺の目には、堪えきれずに涙が浮かんでいる事だろう。
セトが俺を強く抱き締める。
俺も同じく抱き締め返す。
すごく、温かい。
一番特別な相手の熱を感じられる。
それがどんなに幸せな事か。
「シンタローさん…これ、続けても良い…?」
ふとしたセトの発言で、俺達がまだ繋がったままだという事に気付く。
俺は頷き、先程よりも強く抱き締める。
セトが再び腰を動かす。
卑猥な水音が響く中、俺はただ甘い矯声を上げる。
「ぁ、ッ…あ、ん…ッ…せ、とぉ…!!」
繰り返し繰り返し、セトの名前を呼ぶ。
ちゃんと目の前にいる
誰よりも愛しい相手の名前を。
「せとッ…好き…ッ…大好き……ッ…ん、ぁあッ…!!」
「俺もっすよ…愛してるっす、シンタローさん…ッ…」
セトの方もそろそろ限界の様子。
切羽詰まった、吐息を含んだ余裕のない声。
「ふッ…ぅあ…ッ…頼む…お前が、欲しいッ…」
上手く強請る方法を知らない俺は、こんな言葉しか言えなかった。
それでも相手は頷き、ちゃんと俺に応えてくれる。
「…ッ……俺も、そろそろ………ッ……!!」
そのくぐもった声と共に、俺の中に熱いものが注がれる。
俺も同時に果て、溢れた液がセトの腹にかかる。
そして疲れで目を閉じ、そのまま眠りについてしまった。
眠る直前に聞こえたセトの言葉。
「……ずっと俺だけのものでいて下さい…」
一人よがりで傷付いていたってなにも変わりはしない
もっと早くにちゃんと自分の気持ちを伝えていれば、なんて
これからはずっと一緒に
もっと近くで相手と笑い合える
何度も拗れたこの恋の成就は
笑ってしまう程に呆気なく
とても簡単なものだった