BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: Various Love story… ( No.18 )
- 日時: 2015/10/03 16:56
- 名前: Re:rate (ID: KG6j5ysh)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel5/index.cgi?mode
よし、やろう。
『いつまでも隣で』
シンタローside
欲する事くらいは誰にでも出来る。
ただ、その次をどうするかなどは分かりはしない。
本人の意志と価値観、行動次第だからだ。
だが俺は今、確かにその狭間にいる。つまり悩んでいるのだ。
欲するまま…本能のままに行動するべきなのか
或いは
それを押し殺し、理性を持って行動するべきなのか
- Re: Various Love story… ( No.19 )
- 日時: 2015/10/03 16:58
- 名前: Re:rate (ID: KG6j5ysh)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel5/index.cgi?mode
続き
「…よし、帰るか遥」
"遥"と呼ばれたその人物は、小さく頷いて歩いて来る。
今日も平凡な学校が終わったのだ。
更に言えば今は夏。何時もより倍も日の出ている時間が長くなって、帰りに何をしようかと考えながら荷物を取りに自分の教室へ戻った頃だった。
「遥ぁー!ちょっとこっち手伝ってくんねー?」
ふと教室から一人の男子生徒の声が。
もう学校祭が近く、なんでもその為ののぼりの製作に困っているらしい。
「シンタロー君、ごめんね?校門で待ってて!」
遥は少し面倒臭そうに溜め息を吐き、苦笑を残してそのまま男子生徒の所へと行ってしまった。
「…で、何すれば良いの?」
「悪ィな、すぐ終わるからさ!」
一方の俺もそんな会話を後に、教室の扉を閉めて踵を返し玄関へと向かう。
引き寄せれば離れて
掴んだと思えば
手元をすり抜ける
遥はそんな奴だ。
あの人との距離は何故か心地良くて
今までズルズルと甘えてしまっていた。
だが
この距離を保てなくなって
この関係が終わる時が来たら
その時は
(…元に、戻るだけだろ?)
そんな事を考えていると、時間は知らぬ間に段々と過ぎていく。
その後も時が過ぎるのを待ち、次に気が付いた時にはすでに一時間が経過していた。
のぼりの方は大分進んでいた。あとは文字を書くだけといった進み具合だ。
これ程の時間があればもう終わっている筈。
遥を迎えに、教室へと向かう。
其処で見たものは
先程の男子生徒が遥の肌を露にし、押し倒している光景だった。
- Re: Various Love story… ( No.20 )
- 日時: 2015/10/03 17:00
- 名前: Re:rate (ID: KG6j5ysh)
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続き
「遥ッ!!」
名前を呼び、夢中で飛び出した。
早く、早く届くように。
「ッ…シンタロ…君……」
遥も此方に手を伸ばし、助けを求めている。
男子生徒はそれを睨みつけている。
俺は男子生徒を一発殴り、床へと叩きつける。
そして力が抜けたのを見計らって遥の手を取り、他の空き教室へと走った。
「……やっぱ遥は、俺のモンにはなってくれねぇんだな…」
最後に男子生徒のそんな声が聞こえたような気がした。
「…で、なんでこんな事になったんだよ…」
身なりを整え、互いに落ち着いた所で話を切り出す。
遥は少し涙に目を潤ませながら、ぽつぽつと話し始めた。
「のぼり作り終わって、シンタロー君の所に戻ろうとしたんだ…そしたらいきなり…す、好きだとか言われて…」
これまでのいきさつを全て話し終えて、また俯く遥。
俺は強く抱きしめ、ひたすら頭を優しく撫でる。
「…ありがとう」
「あぁ…今度こそ、帰るか」
この後俺の家に泊まると決まり、そのまま帰宅した。
帰宅途中、俺は色々な事を考えた。
何故あんな事をしたのか、結局あいつは何をしたかったのか、…何故よりによって遥だったのか。
考えても考えても分からなかった。
あいつの意図も、気持ちも、欲も、全て。
悶々と頭を悩ませていると、いつの間にか家に着いていた。
やはり考えるという事は、時間を忘れさせてくれるものだ。
俺のすぐ隣で聞こえたお邪魔します、という声と共に、玄関の扉を閉めて靴を脱いだ。
- Re: Various Love story… ( No.21 )
- 日時: 2015/10/03 17:02
- 名前: Re:rate (ID: KG6j5ysh)
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最終話
部屋に着くや否や、ベッドへと遥を押し付ける。
「シンタロー…ッ…く、ん…」
そのまま唇を重ね、舌をねじ込む。
くちゅ、と音が響く中、はふはふと肩で息をする相手。
そして服を脱がせ、相手のモノに触れる。
「ぇ、し、シンタロー君、早ッ…い、ん、あぁッ…あッ…!!」
「あんな事があったんだ…加減なんか出来る訳ねぇだろ」
「でも、も、やだぁッ…無理…ッ…」
嫌だ、とか、無理、とか…そんな言葉を発する時は、既に限界が来ている証拠だ。
少しずつ愛撫の手を早めていくと、段々と声が高くなっていく。
そしてやがて俺の手の中に吐き出し、力んでいた遥は一気に力が抜けてくたりと横になった。
「最近してなかったもんな…すげぇ溜まってる」
掌に吐き出されたそれは白く濁っていて、とろとろとした感触も強かった。
だが、そんなものすら愛おしくて堪らない。
「ッ…うるさいよ…」
相変わらず肩で息をしながら告げる相手。
その顔は真っ赤に染まり、シーツを握りしめていた指先も少しピンク色になっていた。
瞳を熱く潤ませ、まるで誘うような視線を送ってくる。
男の中にいても一際目立つ白い肌と、女を思わせるような顔立ち。
俺は遥の全てが好きだ。
「遥…今日は俺が優勢だ
………嫌だって程イかせてやるよ」
そうだ
これで良い
理性と本能、どちらに従うかなど
目に見えていた事だった。
周りの事には馬鹿みたいに察しがきくのに
自分の事となると
あまりにも鈍感で
不器用で
それが"遥[あいつ]"じゃないか
だったら
難しい事など
最初から考える必要はない
離れていくならば
掴めば良い
すり抜けそうになったのなら
抱き寄せれば良い
「遥………ッ…」
こいつを
抱き寄せて
いつまでも隣でずっと繋ぎ止めて
離さなければ良い