BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

yuri ( No.6 )
日時: 2016/06/16 18:34
名前: 桜庭 優 (ID: Qos362AQ)

ちよちゃんの頭を撫でる手が気持ち良くて直ぐに眠りの底に落ちて行きました。
しばらくすると頬を触る感触を感じて目を開けると近くにちよちゃんの顔が合りました。

「ちよちゃん、どうしたの……?」
「そんなに無邪気に眠られたら襲って下さいって言ってる物だと気づいて欲しいね」
「それは、どういう意味なの……?
きゃっ!?」

乃愛は、体を起こそうとするけれども、ちよちゃんに体を押し倒されました。

「ちよちゃん、お願い、止めて……」

乃愛は、子犬みたいに目を涙で濡らせながらちよちゃんを見つめました。

「こんなチャンスは、そう無いんだから、止めるわけない事くらい理解してもらいたいね」

ちよちゃんは、乃愛の頬をキスをすると怖い表情をしながら乃愛の口にちよちゃんの口が近づいてきました。
乃愛は、目を瞑り心の中で紳ちゃんの名前を呼ぶと突然保健室のドアが開く音が聞こえると誰かが入ってきました。

「先生……そこまでにしてもらえませんか?
それ以上、乃愛に近づいたら、いくら先生でも許しませんよ」

目を開けると紳ちゃんが立っていました。

「紳ちゃん……」

乃愛は、涙を流しながら紳ちゃんを見つめました。

「綾倉さんは、本当に何時も良いところで現れるよね」

ちよちゃんは、乃愛から離れました。
すると紳ちゃんは、乃愛に近づくと右手を掴むとちよちゃんの方を向くと怖い顔でちよちゃんを睨みました。

「乃愛は、連れて帰ります。
今度、乃愛に同じ事をしたら、いくら先生でも許しませんから覚えていてください」

ちよちゃんは、両手を軽く横に広げて苦笑いを浮かべました。

「それは怖いね。
あんまり痛い目に合いたくないから気をつけるよ」

紳ちゃんは、キッて怖い顔でちよちゃんを睨むと直ぐに軽く頭を下げました。

「それでは、失礼します」
「ちょっと待ってよ、紳ちゃん」

乃愛は、紳ちゃんに手を引かれて保健室を出て行きました。
紳ちゃんに手を引かれて家に帰る時も紳ちゃんは、怒ったかのように無言でした。
乃愛は、紳ちゃんの様子に我慢できなくて恐る恐る紳ちゃんに話しかけました。

「その……紳ちゃん、今日は、助けてくれてありがとう」

控えめに紳ちゃんに話しかけたけれども紳ちゃんは、無言で何も言わなかったです。

「紳ちゃんの忠告を聞かなくてごめんね」

もう一度紳ちゃんに話しかけたけれども紳ちゃんは、何も言ってくれなかったです。

「その……もう紳ちゃんの事を疑わないから……」

もう一度勇気を振り絞って紳ちゃんに話しかけたけれども紳ちゃんに無言で返されました。

「ねえ、紳ちゃん……?」

恐る恐る紳ちゃんの顔を覗き込みながら話すけれども相変わらず紳ちゃんは、何も言ってくれませんでした。

「お願い、黙ってないで何か言ってよ……紳ちゃん」

乃愛は、辛そうに話すと紳ちゃんは、突然立ち止まり、乃愛の方を向きました。

「あの……紳ちゃん……?」

紳ちゃんは、怖い顔で乃愛を睨みました。

「……私は、先生に気をつけろって言ったよね」
「それは……」

乃愛は、気まずそうに俯きました。

「それを無視して先生に会いに行ったのは、乃愛だよね」
「ごめんなさい……」

乃愛は、俯いたまま紳ちゃんに謝りました。

「何時も乃愛は、そうだよ。
警戒心が無くて無鉄砲で私がどれだけ苦労してると思ってるんだよ!」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」

乃愛は、俯きながら自分の両手を握り締めました。

「乃愛は、体が弱いんだから少しは、大人しくしてろよ。
乃愛に迷惑をかけられのは、うんざりなのよ!!」
「ッ!?」

紳ちゃんに気にしてる事を言われて気付くと乃愛の目から涙があふれてきた。

「はっ!?」

紳ちゃんは、乃愛の涙を見て我にかえった。

「ごめん……今のは、言い過ぎた」

紳ちゃんは、優しく乃愛の肩を触ろうとしたけれども乃愛は、それを避けて紳ちゃんから距離をとり後ろを向いた。

「ま、待て、乃愛!」

紳ちゃんが乃愛の手を掴もうとする手を避けてその場を走って離れました。
乃愛は、昔から体が弱くてよく倒れていました。
乃愛の親は、それを心配されてばかりです。
だから乃愛は、わざとやんちゃをしました。
そうする事で両親を安心させようとしました。
その事は、紳ちゃんも解っていた思っていました。
でも紳ちゃんにあんな事を言われて紳ちゃんにとって乃愛は、迷惑をかけるだけのお荷物と言われたみたいで悲しくて走りました。
次から次と涙が溢れてきて、何度手でこすっても乃愛には、涙を止める事は、できませんでした。
〜つづく〜