BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ハイキューパロディ設定他 ( No.10 )
日時: 2015/11/25 10:36
名前: 七詩 ◆Ww9Me2u6TE (ID: WSl7zu6B)

※続き

 部屋の中は火鉢のせいもあり少しだけ暖かい。夜久はリエーフを部屋へ入れ、布団の上にあぐらをかいた。
「書類仕事は大体終わったんだが、また二件ほど妖怪退治の命が降りている。これを片付けた後、報告書と始末書を書いて上に提出。その間に何もなければ多分帰れるんだが……」
年末の近いこの季節は、妖怪たちが好む「人の争い」が多く発生する。借金の取り立て、ツケの支払いなど、そこで発生した陰の気のせいで妖怪たちは活発化してしまう。正直夜久だけでどうこうできる数などとうに越しているのだが、夜久の他に都へ派遣された陰陽師はいなかった。
「手伝ってもらえればいいんですけどね。俺も流石に疲れました」
「すぐ終わると思ったからお前しか連れてこなかったが……これなら犬岡も引っ張ってくるんだったな」
犬岡や芝山も夜久の使い魔の一人だが、移動手段に長けたリエーフのみを連れてきたのはそういう理由からだった。
 こうなったら友人で同じ陰陽師である菅原に助けを求めようかとも思ったが、領主の澤村が音駒にいる今、彼が烏野を離れるわけにもいかないだろう。澤村が烏野に帰る頃にまた手紙でも書いてみようか。それまでに仕事が終わっているといいが。
 夜久がそんなことを考えていると、いきなり目の前がふっと陰った。何事かと思い顔を上げると、狐の姿に戻ったリエーフが大きな体をぐっと伸ばしている。
「……お前なにしてんの」
呆れと驚きの混じった声で夜久が聞くと、リエーフはあくびをしながら布団を囲うように丸くなった。
「疲れたし眠いんで寝ます……でも寒いから一緒に寝ましょ!」
「それ多分暖かいの俺だけだけど」
「夜久さんだって寒いんだからいいじゃないスか」
ほらほら、とリエーフが尻尾を揺らし、それがふすまに当たってガタガタと音をたてた。なんなら箪笥もひっくり返しそうだ。
「おいばたばたすんな!部屋荒れるだろうが!」
夜なので小声で叱り、ついでに頭を叩く。痛い、と言ってリエーフが涙目でこちらを見た。
「だってー……」
「誰も寝ないとは言ってねえだろ」
夜久がそう言うと、先ほどまでしょげていたのはどこへやら、一転してリエーフの表情は明るくなった。また尻尾がふすまを鳴らしかけたので、夜久は慌ててそれを止めた。
「迷惑になるからうるさくすんじゃねえ!」
「イテッ、はーい」
 夜久が布団に潜り込むと、ふわふわした毛並みがまわりを包み込んだ。時おりもぞもぞと動く暖かさが、生きているものが側にいるのだと証明しているようで、それがひどく夜久を安心させた。

 ぬくぬくとした暖かさと共に、夜はゆっくりと更けていった。



***



あれ、リエ夜久要素どこいったんだろう\(^o^)/
ぬくぬくしてる二人が書きたくて書いたんですが……