BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ハイキューパロディ短編他 ( No.32 )
日時: 2016/01/03 23:01
名前: 七詩 ◆Ww9Me2u6TE (ID: hFu5/zEO)

※年末企画その3
※二茂で初詣
※捏造が少々含まれます





 二口に誘われ、茂庭は二口と二人で伊達工の近くの神社へと来ていた。現在時刻は朝の9時。混雑を避けようとしたのだが、やはりまだ沢山の人が並んでいた。
「時間的にはいい頃だと思ったけど……意外と人居るもんなんだな」
「そっスね、俺もあんま来たことないんでちょっとびっくりしてます」
 並んでいる間、二人はずっとバレー部のことについて話していた。話していた、というよりは二口が一方的に喋っていた、という方が正しいかもしれないが。

 気がつけばもう自分達の番だった。10円を投げ、二礼、二拍手、一礼。さっさと済ませた二口に対し、茂庭は何を願ったのか随分長く手を合わせていた。
「茂庭さん、なに願ったんです?」
「ん?こういうのは話さない方がいいんだぞ」
「えー、ケチ」
 不満そうな二口に苦笑し、茂庭はそのまま帰ろうとした。しかし二口に腕を捕まれて動きを止める。
「おみくじ引いてきましょうよ!」
「ええ?金無いよ、俺……」
「100円くらいあるでしょー?」
 そのままずるずるとおみくじ売り場まで引きずられる。その様子を見たのか、こちらの方を見てふふっと笑った売り子の巫女さんを見つけ、茂庭は少し恥ずかしかった。
その巫女さんに100円を渡し、おみくじを貰う。茂庭の紙には中吉の文字があった。そこそこの運勢に納得しつつ二口を見ると、そちらは随分と落ち込んでいるように見えた。
「どうした?凶でも引いたか?」
「いえ……それは吉だったんですけど…………人間関係が、ちょっと……」
 そう言っておみくじを渡してくる。そこには『人間関係:回りに振り回される。努力次第で上手くいく』と書かれていた。
「茂庭さんのせいですか」
「は?」
「茂庭さんがさっき俺の運下がれって祈ったから人間関係がやばかったんだ、きっとそうだ」
「なっ、そ、そんなことするわけないだろ!俺はお前がちゃんと…………あ」
 口を滑らせた茂庭に、二口がニヤリと笑みを浮かべる。完全に手玉に取られていたことに気がつき睨んだが、二口はは全く気にも留めていないようだった。
「俺が、なんですか?」
しばらく黙っていたがとうとう根負けしたのか、茂庭はしぶしぶといったように口を開いた。
「……お前が、ちゃんと主将やって、それで、最強の鉄壁が築かれますように、って」
「……茂庭さん、自分のこと願ってくださいよ……」
どこまでも後輩想いな茂庭に呆れて二口がそう言うと、茂庭は少し赤くなった。
「だ、だって、俺は一応内定決まったし……それに、」
「?」
二口が首をかしげると、茂庭は二口の頭にそっと手を乗せ、そのまま撫で始めた。
「お前のことも大事だからな」
「っ!?」
 硬直した二口に気がつかず、茂庭は帰るか、と声をかけた。しかし返事はない。変に思って茂庭が二口を振り返ろうとすると、
「……っああああああ!もう!この人は!!」
「ぶっ!?」
背中に大きな衝撃が走る。なんとか首を後ろに向けると、そこには顔を伏せて茂庭に抱きつく二口がいた。
「ど、どうした?何かあったか?」
「全部茂庭さんのせいです!」
「俺!?」
結局赤くなった二口の耳には気がつかなかった茂庭は、家に帰っても首を捻るばかりだった。



***

……長い!
これでも1000字近くカットしたんですが……orz