BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ハイキューパロディ設定他 ( No.4 )
日時: 2015/11/14 00:54
名前: 七詩 ◆Ww9Me2u6TE (ID: lwQfLpDF)

注意は前回と共に。



「随分冷えてきたな」
 澤村はアパートの古びた雨戸を閉めながら、誰に言うでもなくそう呟いた。
 季節はちょうど秋から冬へと変わるまっただ中で、雨が降ったり、かと思えば小春日和な日があったり、と不安定な天気が続いていた。しかし最近は大分冬将軍も元気を取り戻したのか、すっかり冷え込むようになっていた。
「今日の晩飯なんだっけ?なんか暖かいもん食べたいんだけどナ〜」
と呑気な声を上げたのはいつの間にか背後にいた黒尾だった。
「お前死神なんだから寒さとか感じないんじゃねえの」
「まさか、寒いもんは寒いし暑いもんは暑いぜ?その辺は人間と同じ」
「へえ、そうなのか……腹は減らないくせになあ」
 妙なところに感心する澤村に、黒尾はため息をついた後ぎゅっと顔をしかめた。
「澤村ってなんか……ずれてない?」
「そうか?そんなこと初めて言われたな」
 キョトンとした顔でそう返す澤村は、初めて会ったときのまま何も変わっていないように見えた。死神を見ても大して驚かず、なにより寿命を告げられたというのにあまりに普通に話していた澤村に、黒尾は少なからず恐怖にも似た感情を覚えていた。
「おい黒尾?どうしたんだ?」
 ぼーっとしていた黒尾に澤村の声がかかった。ああ悪い、と謝りながら夕飯の手伝いに向かう。
(……コイツ、本当に人間だろうか)
 そんな疑問が出るくらいには、澤村の態度は不可解だった。





 死神は夜眠る必要はない。だからと言って休息を取らないでいいというわけではないので、黒尾は澤村の眠る寝室ではなく、その居間の小さなソファに横になって目を瞑って休んでいた。
 黒尾が澤村の担当になったのは、単なる偶然からだった。一年前、大型の霊蟲に狙われるようになった澤村には数々の災害が降ってきていた。大きな看板が落ちてきたり、いきなり暴走車が突っ込んできたり、下りエスカレーターが急に止まったり、真上の電線が突然切れたり。それらすべてを一応片付けたのは黒尾だが、二週間前、黒尾は上から落ちてきた工事現場の足場を弾いた際に、澤村に姿を見られてしまったのだ。
(……で、以来なぜか俺はここにいるわけだが)
 回想を終えると、黒尾はあくびついでに目をフッと開けた。
(……あいつはなぜ、寿命を言われても普通でいられるのだろう)
 黒尾の中で、その疑問がいつまでも心にわだかまりを作っていた。







***
切ります……眠くなってしまった
明日なにか書ければ書きます。