BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ハイキューパロディ設定他 ( No.5 )
日時: 2015/11/20 09:55
名前: 七詩 ◆Ww9Me2u6TE (ID: T7mhaKN7)

たまには黒大以外も書いてみたいので、二茂のパロディ書いてみます。
相変わらず人外×人間ですが、それでもよければ……

※時代が多分今じゃない
※歴史物風ななにか





 朝の空気はひやりとして、眠気の残る頭をすっと冷やしていく。布団から出たばかりのまだ温い体にはその冷気がしみて、茂庭は少しだけ肩を震わせた。
 縁側に出れば、中庭に植えてある紅葉が真っ赤に染まっているのが見えた。よく見るとうっすらと霜がおりていて、もう冬が近いことをふと思い出させた。


 茂庭要は、古来より続くこの陰陽師家の次期当主である。当主としての威厳や雰囲気には欠けるが、依頼に忠実に応えようとする姿勢や、目下のものたちは言うまでもなく、式神たちに対しても優しく真摯に向き合う態度が評価されている。
 茂庭としては父や祖父のような威風堂々とした風格を持ちたいと思っているのだが、根が優しく自分より他人を優先しがちな茂庭は、なかなかそのような気迫は持てないでいた。


 庭の紅葉に見とれて、気がつけばしばらくの時が経っていたようで、日の光はいつの間にか部屋の奥まで差し込んできている。茂庭は慌てて寝巻きからいつもの服に着替えようと箪笥(たんす)に手を伸ばした。
「あっお早うございます、今日は大分冷えますね」
 突然箪笥の上からいやに明るい声が聞こえて、茂庭は思わず肩をびくつかせた。
「……二口?」
「ハイ、お早うございます」
「あ、うんお早う……じゃなくて早く降りなさい!どこで寝てるのお前は!」
 茂庭がそう言うと、箪笥の上から一匹の白蛇がするりと降りてきた。長さは四尺(約1.2メートル)はあるだろうか。滑らかな体をうねらせてとぐろを巻き、白蛇はちろちろと舌を出した。
「というか寒くないんですか、そんな薄着で」
「寒いに決まってるでしょ、今から着替えるんだよ」
「手伝いましょうか?」
「はいはい、馬鹿なこと言ってないでお前も仕度しなさい」
 普通の人間であれば蛇が喋るだけでも腰を抜かすだろうが、実はこの蛇は茂庭の使い魔であり、蛇の姿はしているが蛇ではない。名を二口といい、茂庭の回りには他にも多数の式神や使い魔がいるが、人外の中では恐らく一番距離が近い。名前の通りよく喋る蛇だが、茂庭に対する忠誠心で勝る者は、少なくとも屋敷の中にはいなかった。


 着替えが終わり、もう一度縁側に出る。霜が大分溶けて紅葉から滴っているその美しい朝の風景に、茂庭は思わず嘆息した。
「……綺麗だなあ」
「そうですね」
「ひあ!?」
 また突然かかった声に驚き、思わず情けない悲鳴が出る。その事実に落胆しながら、茂庭は声の主である二口にむっとした顔を向けた。
「だから突然声かけるのやめなさい!ビックリするでしょうが!」
「あはは、いやーだって茂庭さんの悲鳴可愛くて。ひあ!ってなんすか?」
「あーもう!恥ずかしいから本当にやめて!」
 蛇の姿から人の姿へと変わり、腹を抱えて大笑いしている二口の頭をぽかりと叩く。痛いです、と言いながら笑うのはやめない二口に、茂庭は少し呆れ、そして微笑んだ。


「全く……ほら、そろそろ行こうか」
「そうですね、もう朝食もできる頃でしょうし」
「その前に修業、ね」
「ちぇ」








***
多分続かない。

この二人は人外パロディめっちゃ多いです。そしてなぜか二口は蛇。原作のあの表現のせいなんですかね。