BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ハイキューパロディ設定他 ( No.9 )
- 日時: 2015/11/25 10:31
- 名前: 七詩 ◆Ww9Me2u6TE (ID: WSl7zu6B)
※突然のリエ夜久
※やっぱりパロディ
※リエーフが妖狐、夜久さんが主人
※歴史物風ななにか(和風のはずなのに横文字の名前なのはスルーで……)
月明かりが庭を幻想的に照らし、澄みわたる空は翌日の寒さを思わせる。吐く息は白く、冷えた大気は身に染みた。
「さっむ……」
今まで机に向かい書類を片付けていた体を伸ばそうと縁側に出てきた夜久は、体を伸ばすどころか逆に縮めることになり、くしゃみを一つしたあと身震いした。
ふと月を見上げれば、薄雲一つかからぬ見事な満月である。これが仲秋であれば月見でもしたものを、霜月になってしまってはただ寒いと言うばかりである。ため息すら白くなり、夜久は早く火鉢のある部屋へ戻ろうと踵を返した。
ふっと縁側に影が降りる。振り向けば月の中から一匹の獣が降りてこようとしていた。大きな白い体は月の光を受けて青白く輝いている。獣はそのまま庭へと降り立ち、ゆっくりと夜久の方へ近づいてきた。夜久の背丈より二回りは大きいその獣は、尻尾の数こそ多いがどうやら狐のようだ。夜久は大きな狐に驚くこともなく、そっと手を伸ばし、頭を撫でてやった。
「お帰りリエーフ、みんな元気だったか?」
するとリエーフと呼ばれた狐は一度くるりと回り、人の姿へと変化した。大きな耳や九本の尻尾はあるが、それ以外はまあ人間と大差ない姿である。
「はい、相変わらず犬岡や芝山は寂しそうにしてましたけど、でも烏野から日向が遊びに来てて、そんですごく楽しそうに遊んでたんで、つい俺も遊んできちゃいました!」
えへへと照れ笑いしながら尻尾を揺らすリエーフに夜久は呆れたが、その一方で皆元気にしているようだと安堵した。
「遅いからそんなことだろうと思った……黒尾や海は?無理してないか?」
「えーと、それが黒尾さんには会えなくて……なんでも調子が悪いとかなんとか海さんが言ってました。烏野から澤村さんも来てたんですけど、その面会も今日は無理かもって」
「黒尾のやつ、また無理して仕事したんだな。早く帰って手伝ってやりたいが、こっちの仕事もまだ少しかかりそうだし、帰るのはまだ先かな……」
ふう、とまたため息をつく夜久に、リエーフも少しシュンとする。仕事の都合で都へ来ている夜久は、もう一ヶ月は音駒に戻れていない。そろそろ帰りたいのだが、都での仕事は増えることはあっても減ることはなかった。
「とりあえずお疲れさん。ここは冷えるし、中に入れ」
妖狐であるリエーフは一日あれば都から音駒まで往復できる。しかし長時間の飛翔は疲れもあるだろうし、とりあえず長旅を労ってやろう、と夜久は部屋へ向かうことにした。
***
続きます