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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: カゲプロ小説を書く!! ( No.13 )
- 日時: 2016/03/04 15:41
- 名前: クロハlove (ID: aVnYacR3)
「…んぅ…?」
彼が目を覚ましたのは夜だった。
しかし、妙なことに気づく。
ここは自分の知っている部屋じゃない…。
全体的にシンプルな部屋、自分の匂いじゃないベット…。いや、この匂いは知っている。
ふと、足に何かが当たったと思い見ると、そこには黒い塊がいた。黒猫だった。
とても、目が赤い…
シンタローは心当たりがあるようで、その猫に向かって話し始めた。
「お前が猫じゃないってことは分かってる。誰だか検討はついている。だけど、聞いてくれ」
そう言うと、猫は少しピクッと動き、そのあとに「ニャー」とシンタローに答えるように鳴いた。
それを見てシンタローは話し続ける。
「オレはさ、世界が平和になったことは嬉しいと大いに思っている。みんなが幸せになったことももちろん。だけど、本当にみんながみんな幸せになったのか、と聞かれると違うと思うんだ。お前だって幸せになれたけど、今だに嘘をつき続けてるだろ?それと同じだ。オレは『みんなが』じゃなくて『殆どが』の方がしっくりくる。現にお前とオレがそうだろ?考えてみろよ…カノ」
それを聞いた猫はまるでそうだとでも言うようにコクリと頷いた。
そして、ドアの外へと消えていった。
ベットの上には、まだ乾ききっていない『水』のようなものが落ちていた。
「…あいつ、オレに嘘が通じると思ったのかよ。まあ、そしたらオレもそうだけど…」
ああ、アイツにあとで礼を言わなきゃな、とシンタローは心の何処かで思った。
しかし、急に襲ってきた睡魔には敵わず、すぐに眠ってしまった。
…彼の苦しみがわかるまであと少し。
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