BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【おそ松さん】曲パロまとめ【BL松】 ( No.1 )
- 日時: 2016/06/06 23:19
- 名前: MITUKI (ID: zt./Gg/M)
円尾坂の仕立屋
※今回は全員F6です。
円尾坂の片隅にある仕立屋には可愛らしい主人が居る。
容姿は女と見違える程に美しく、それに加えて気前のよさと誰もが認める確かな腕で、近所でも評判が良い男だった。
何が彼を狂わせたのか。
side:トド松
ボクはトド松。円尾坂にある仕立屋の店主。店主……なんだけど何故か女主人って言われる。それくらいボクが可愛いって事だね!
最近の悩みは愛する彼の浮気症。ボクっていうのがありながら、家に帰って来やしない。
ところがある日、大通りで彼を見かけた。隣の男は一体誰?
真っ赤な甚平がよく似合う、赤髪の男と仲睦まじく歩くその姿。楽しそうな笑い声が聞こえて、ボクは咄嗟にその場を離れた。
どんなことがあっても仕事は頑張らなくちゃ。鋏を片手に一生懸命。
母さんの形見の裁縫鋏は研げば研ぐほどよく切れる。
そして甚平の縫い直しの依頼。その甚平はあの男が着ていた真っ赤な甚平にそっくり。
ボクに対しての当て付けなのかな?
頬を涙で濡らしながら(こんな時に彼が居れば良いのに)甚平の縫い直しに精を出す
次の日起きたら町は不穏な空気。なんか殺人事件があったんだって。
橋の前で彼を見つけた。隣の男は一体誰?
悲しい顔をしている彼に寄り添うように、声を掛けている眼鏡の男。緑髪で緑の帯がよく似合うんだ。
彼を笑顔にしていく男が妬ましくて、すぐに踵を返した。
そんな時に来た帯の修繕。あの男が着けていたのとそっくり。
やっぱりボクに対しての当て付け?
泣き腫らした目を擦りながら、帯の修繕に精を出す。
また次の日町はにわかに騒ぎ始めた。また殺人事件があったんだって。
簪屋の前で彼を見つけた。隣の男は一体誰?
今までより若い、黄色で袖が長い甚平を着た鳥のような黄髪の青年に、黄色いリボンを買い与えて。一体何をしようというの?全く見境が無いんだから。
そんな時に来た飾り付けの依頼。袖の先にリボンをつけてほしいらしい。
依頼された服は袖が長い黄色の甚平。
これで確定した。ボクへの当て付けだね!
裁縫鋏も糸切り鋏もこんな色だったかな?まあいいや。あともう少しで仕事が一段落する。その時にもう一度研ごう。
夏祭りも終わり、仕事も一段落した。
会いに来てくれないなら、ボクから会いに行く。
赤い甚平、緑の帯、黄色いリボンを一房の髪に付けて。
どうかな。ボク、君好みの男になったよ?
……可愛いよね
今日は町中が大騒ぎ。どっかの家主が殺されたんだって。
これで一家4人が何者かに殺された。
町中で彼を見つけた。声を掛けたら「初めまして、こんにちは」だって。ボク達まるで赤の他人みたいじゃん。ねえ一体どうしたの?
だけど仕事は頑張らなくちゃ。年に数回の1番稼げる時期なんだから。
何故か赤く染まった裁縫鋏、研げば研ぐほどよく切れる。
side:??
「はぁ……また回収し損なった」
彼が死んでから受け取るはずだった2対の鋏。彼が処刑されてから仕立屋に行っても、もうなくなっていた。誰の仕業かは分かってる。『Ma』だ。アイツだって大罪を集めているんだからあんなに丸見えだった物を回収するのは簡単な事なんだろう。
「それにしても酷い子だったよね。自分の『この身体』に悪いところなんて無かったのに。あの子は何が嫌だったのかな」
僕は交換した身体を鏡で見つめる。紫の髪に藤色の瞳。……多分前の身体より良いはずなのにな。彼に聞けば「そっちの身体は可愛らしく出来ない」らしい。男に可愛らしさも何もないと思うけど、窮屈だったからまあいっか。
そんなこんなでずっと身体を見つめてたら何かが足元にすりよってきた。ふと見ると可愛い黒猫。彼女が帰ってきたらしい。急いで服を着直して彼女を抱き上げる。本物の猫の身体じゃないから触り心地はあれだけど、ふわふわしているからいつもギュッって抱き締めちゃう。
「今回も失敗しちゃった。お前の身体も探さないとな……よし、早くこの国を出なくちゃな」
本当はこの島国を観光したい。けど急がないと持ち主が死んでしまう。
次はいつか訪れた青の国、独裁政治の裁判長が国を治めているらしい。国風とか色々500年前と全く違うとか。
「さあ行こう。次の大罪の器を回収しなくちゃ」
一松様はあんな簡単に諦めていたけども、私には理解できない。
今の私の体は可愛い黒猫のぬいぐるみ。体を壊された私に一松様が即席で作った物だから、声帯がない。だから「にゃー」と鳴くことも出来ない。
200年程前も私はぬいぐるみだったけど、その時は声帯があったし、食欲、睡眠欲って人間と同じ機能があった。それを考えると今回の体は不便。
でも一松様が取り替えた体に限界が来るまでの60年は耐えなきゃならない。次は私も人間の体を貰うんだから。
捕捉
仕立屋の主人→トド松
愛する彼→カラ松
赤髪の男→おそ松
緑髪の男→チョロ松
黄髪の青年→十四松
(4人は家族であり、長男はカラ松。速度が双子で全員2歳差。十四松はnot成人)
最後の語り手→一松
(永遠の魔導師一松。魂は永遠だが身体に期限があるので早め早めの交換。今回は丁度その時期に身体にコンプレックスを持つトド松と出会って身体を交換)