BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【おそ松さん】曲パロまとめ【BL松】 ( No.2 )
- 日時: 2016/06/03 06:29
- 名前: MITUKI (ID: zt./Gg/M)
六つ子のHPBお祝いしたかった……え?もうしてるって?
そう言えば円尾坂投稿したの24日だったんですね。
一度消えて心が折れたけどもう一回。
moonlit bear
暗い暗い森の中で、赤い赤い果実を拾った。
これはきっと神様からの
素敵な素敵なプレゼント
持って帰ればアイツは喜ぶかな?
涙脆いから泣くかもね
「……今日は月がとても綺麗だな」
早く早く家に帰ろう
こんな夜には……怖いコワイ熊が出るから。
せっかく見つけた。ようやく見つけたんだ。
誰にも決して渡したりしたくない!
花咲く夜の道、僕は駆け抜ける。アイツのいる家に向かって。
2つの果実をギュッと抱き抱えながら走り続ける。
このまま帰れば僕もアイツも
きっとシアワセになれるはず!
ところが後ろから怖い顔をした熊が僕を追いかける。
分かっていたんだ。この果実はあの熊の宝物だって。
でも渡せない。僕達のシアワセの為だから!
僕は走る、さ迷い走る。この幸せは逃せない。
いつの間にか僕は道に迷い、それでも逃げなきゃとただただ走る。
僕は泣いていて、熊も鳴いてた。2つの果実も哭いていた。
「もう止めて! 追いかけて来ないでよ!」
ガチャ……
やっとの思いで帰った来た僕を、アイツは優しく出迎えてくれた。
「お帰り」
「……ただいま」
でも……僕が抱いていた果実をみてサッと青ざめた。
「……チョロ松、ちょっといいか?」
「……え?」
果実を抱き抱えたまま、僕は座らせられる。
そしてアイツは悲しい表情をして言った。
「いいか? 俺達の子供はもう既にこの世には居ないんだ。だからその……その可愛い子供は本当の親の元に返してあげよう?」
指を指された果実を見下ろすとそこには……涙の跡を残して眠る2人の子供の姿。
僕は立ち上がって悲鳴を上げた後、へなへなと座り込んだ……らしい。アイツに教えてもらったからなんとも言えないけど。
それより僕の頭の中ではある記憶が思い出されていた。
イヴ・ズヴェズダとして行われた実験。男の僕に女性としての機能を無理矢理付けさせて孕ませる。
実験は一部成功した。僕の腹の中には子供がいたし、『神の子供』と呼ばれる双子だったから。でも……腹の中の子供は死んでいたし、実験も失敗した。そのせいなのか僕は何度も子供を拐い、追いかけてきた親を殺してからその子供を育てるけど、一度も上手く行った試しがない。
僕はなんて罪を犯してしまったのだろう! もう止めようと思った矢先にまた殺して拐った。
アイツは「俺も一緒に謝りに行く……今ならやり直せるから」と言うけど……
「無理だよ! だってもう……」
僕が親を殺したから……
片腕の子供をアイツに預けて扉を開けると、僕が身に付けていた腰エプロンを掴み倒れる男の姿。
アイツが悲しい表情を崩さないまま、その男の脈を確認するけど、その男は死んでいた。
傍らには小さなバスケットが転がっていて、中にはミルクが入った小瓶が2つ。
アイツは僕の肩を優しく抱き締めて、僕はその腕の中で泣きじゃくった。
次の日、男は千年樹の根元に埋めた。
僕達はその日からこの男から取った子供達を育てることにした。
子供を拐った青年:チョロ松
(魔女。今までイヴ・ズヴェズダとして活躍していた。実験が失敗してからは、チョロ松として森の家で暮らしている)
青年の夫:カラ松
(元科学者。今まではアダム・ムーンリットとして名を馳せていた。駆け落ちするようにチョロ松と行方を眩ませて、チョロ松と同棲中)
月夜の熊:おそ松
(双子の親で、アダムの義兄セト・トワイライトと言う男。アダムは大嫌いだった。彼も科学者であったが、実験が成功してからある人と行方をくらませた)
熊の子供:末松
(実験で産まれた『神の子供』自分達はヘンゼルとグレーテルだと思い込んでいる)