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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- ふたりでいること 【Episode 0】 ( No.1 )
- 日時: 2016/08/18 14:08
- 名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)
【Episode 0】
学生なら誰もが遊び、また、課題に悩まされる、この季節。
夏休みという長期休暇のさなか、毎週日曜日は、お互いの部活がない、最高の日だった。
「また来週の日曜って、会える?」
烏龍茶のストローをくわえながら、先週も聞いたことを、相も変わらず問いかける。
「もちろん」
メロンソーダを飲み切り、綿毛みたいなふわふわの笑顔で頷いた。すると、肩から垂れてきた髪の毛を、彼女はさらりと背中に流す。
——綺麗。
髪をなで上げる指先。それを追うと視界に入ってくる頬と、くちびる。白くて、色っぽい首筋。
ぜんぶ。
——だいすき。
「なっちゃん?」
「えっ?」
声をかけられて、やっと我に返った。完全に、呆けてた……。
「ご、ごめんね。ぼーっとしちゃって……」
ぱっと笑って謝る。
彼女は笑みを浮かべたまま、不思議そうに首を傾げた。それ以上なにも追求して来ず、彼女は立ち上がった。
「なっちゃん、そろそろ行こう。混んできたから」
「あっ、うん。そうだね」
こちらも立ち上がり、既にレジへ歩き出していた彼女の後ろを歩く。
——平井なつき。高校1年の夏。——
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