BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

ふたりでいること 【Episode 7】 ( No.9 )
日時: 2016/08/25 06:56
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

    【Episode 7】




「へっ!?」
「はあっ!?」

 遠足の後。
 部活動への本入部を済ませ、部員どうしの顔合わせの日。
 そこにいたのは、遠足で一緒にサーターアンダギーを食べた少女——唯だった。
 まるで漫画みたいで、信じられないことだったが、目の前で怒っていることはすべて現実。
 目が飛び出してしまいそうなほど、なつきと唯は目を見開き、じっと見つめ合った。

「あっ、あの、あなたって……」

 先に口を開いたのは、目をきらきらと輝かせる唯だった。
 くちびるは徐々に弧を描いて、やがて。

「サーターアンダギーの神さま、だよね!」
(…………は???)

 色白な頬を赤くさせながら、まるで芸能人にでも会ったような調子で、彼女はこちらに歩み寄る。

「あの、そうだよね? 遠足で会った……」
「え……あ、う、うん。そう、だよ」
「やっぱり!」

 くりっとしたおおきな目を細めて、柔らかな笑みを浮かべる。

 ——あ……っ。

「私、吹屋唯っていうの! よろしくね、サーターアンダギーの神さまさん!」