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一恋〜スカーレット姉妹
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スカーレット...その名は、世間をかつて脅かした。
...夜を支配する者とされ、誰も抗えない.....。

＿＿今となれば、そんな輩じゃあない。
吸血鬼とは思えない程の冷静さと天然さ、寛容さを持ち合わせている。
言えばカリスマ...と思う人も居るだろう。

「お姉様!!」

何処からか、私を呼ぶ声がした。
そう、私はお姉ちゃんなのである。
身内なのに様付けするのはスカーレット家のルールみたいなのでもあるし、尊敬という
意味合いも含め、そう呼んでいる。

....血の繋がっている、妹からは尊敬のそも感じられないのだけれど。

「なぁに?フラン」

後ろを振り返り、優しく微笑む。
私自身、ニカッとか、にこり、なんていう笑みは出来ない。
....あ、どうでも良いよね。うん。

「あー、お姉様に拒否権は無いけど....紅魔館、離れない?」
「..............は!?」

ちょ、ちょっと....フランは何を考えているんだろう。
せめて実の姉だから拒否権ぐらい与えてほしかった。割と真面目に。
それに、紅魔館離れようっていう住人初めて見たわ。

「って事で、行きましょ?」
「いや、あの....あのねフラン。私は正直行きたくな......うん、行こう」

フランの睨みに負けてしまった。
一体、お姉ちゃんとは何だったのか。
スカーレット家のルールとは何だったのか。

「大丈夫、こいしちゃんとか静葉さんとか色々居るから」
「いやそういう問題じゃない。寂しいとかそういう問題じゃないから」