BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.22 )
日時: 2017/03/05 16:24
名前: 有夏 (ID: U9CqFAX7)

『真実の愛とは?』
Prologue:私のプロローグ-Side:咲楽-


何故、人は人に優しくするのだろう。
何故、人は人に優しくされたいのだろう。
何故、人は人を愛するのだろう。
何故、人は人に愛されたいのだろう。
なーんてね。
まあ、本音でもあるけど哲学的な答えは期待してない。
哲学的な答えは、応えるのが面倒臭い。

「あーあ、今日もサボろうかなぁ」
どうせ、授業なんか受けなくたってテストで赤点取らなきゃいいだけだし。
退屈なんだよねー、授業の内容も、教師の言葉も。
聞いてて眠くなる。

「あの……すみません……」
ただフラフラと校内を徘徊していたら後ろから声を掛けられた。
立ち止まって後ろを振り返ると、ボクよりいくらか背の低い不安そうな顔をした女子生徒と目が合う。
「ん、私?」
まあ、他に誰もいないけど。
彼女は小さく頷き、うっすらと涙を浮かべながら訊いてきた。
「保健室って何処ですか……?」
消え入りそうなほど小さな声で、顔も蒼白い。
「おいで、こっちだよ」
彼女は今にも倒れそうだったから保健室まで連れて行く事に決めた。
「ありがとうございます……!」
元気よく応えは返ってきたものの、彼女はフラついて壁に凭れ掛かってしまう。
背中にそっと手を添えて彼女のペースに合わせて歩き出す。

————コンコンッ
ゆっくり歩いて3分もかからない場所にあった保健室に到着し、ドアをノックした。
「…………」
返事がない。
「居留守か、あの教諭」
いつもの事だ。クビになってしまえばいいのに。
「あ、の……ぁ————」
「————?!」
ボクが悪態を吐いたら彼女が何かを言おうとした。
けど、限界だったみたいで蒼白い顔で倒れてしまう。
ボクは彼女を受け止め、壁に寄り掛からせるように座らせて保健室のドアを開ける。
東根あずまね!」
中で居留守を使っているであろう養護教諭の名前を呼ぶと不機嫌そうな顔の女性が出て来た。
「居留守よ」
「自分で言うな。そんな事よりこの子が倒れた」
東根は相変わらず傲慢だ。自分で居留守という養護教諭はどうかと思うぞ。
蒼白い顔で眠り、浅い呼吸を繰り返す少女を東根に引き渡そうと、少女を抱き上げる。
「ついでにベッドまで運んで」
人をいいように使うな。
そう言ってやりたかったが、今は少女が心配で何も言わずにベッドまで運ぶ。

ベッドに少女を寝かせ、サボる場所を探しに保健室を出ようと立ち上がると、制服の袖を少女に掴まれていた。
苦しそうに眠ってて不安そうな顔に見える。
「……はぁ……まあ、いいか」
丁度、読む本もある事だし、目が覚めるまで側に居てあげよう。