BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

ケモミミオロチ ( No.1 )
日時: 2018/03/22 15:31
名前: 闇帝 (ID: kVKlosoT)

〜オロチの家・オロチの部屋〜
先日、ひどい風邪をひいた。
原因は重度のストレスや、過労からだった。
土蜘蛛殿からは「一週間は必ず休め。もし仕事しにきたら、土遁の術をくらわせてやる」と、なんとも物騒なことを言われたが、何もしないでいるのは申し訳ない。
その為、女郎蜘蛛殿に頼んで薬を調合してもらったのだが・・・
「・・・なぜこうなった」
風邪は治った。引いていたことが嘘のように、身体が軽い。
しかし、その代わりとでもいうように、私の頭と腰には「あるはずのないもの」が付いていた。
ピコピコと動く三角の耳。ゆらりゆらりと動くしっぽ。
・・・そう、『ケモミミ』である。
試しに引っ張ってみるが、取れない。あと痛い。
どうやら偽物でも夢でもないらしい。
これは一体どういうことだと、女郎蜘蛛殿に聞きに行こうと襖を開ける。
「・・・」
・・・そこには、土蜘蛛殿が立っていた。
冷ややかな目で、私を見下ろす。
「どこに行くつもりだ?オロチ」
低く冷たい声。
その声に私は、無意識に恐怖心を抱いていた。
しどろもどろになりながらも、なんとか事情を話す。
すると土蜘蛛殿は溜息をつき、こめかみを抑えた。
「あの・・・土蜘蛛殿?」
「兄上・・・何もここまでしなくても・・・」
「え?」
今、なんと言った?
『何もここまで・・・』
それじゃあまるで、貴方が指示したようではないですか。
じゃあこれは、女郎蜘蛛殿が勝手に私を実験台にしたのではなく、貴方が女郎蜘蛛殿に頼んだということですか・・・?
なんで・・・
そんな気持ちがグルグルと渦を巻く。
きっとそれが、顔に出ていたのだろう。
土蜘蛛殿は再び溜息をつき、「とにかく座ろう。立ち続けるのは辛い」と言って、部屋に入ってきた。
そこから私は、土蜘蛛殿に事情を説明された。
まず、私がこうなったのは、女郎蜘蛛殿の薬のせいであること。
それは土蜘蛛殿の指示であること。
しかしそれは、「一週間仕事をできないようにしてほしい」ということであったこと。
そしてこのケモミミは、完全なる女郎蜘蛛殿の趣味であること。
それらの話を聞いたとき、私は唖然とした。
休ませたいだけで、なぜこんなことを・・・
そう土蜘蛛殿に尋ねると、
「お主は休めと言っても休まないだろうが。なら、仕事ができないような状況になれば、お主も休まざるを得ないと思ったのだ」
とのこと。
そんなことを言われてしまえば、休まざるを得ない。
私はモソモソと布団へと戻った。
「・・・お主はいつも頑張りすぎだ。少しは手を抜くことを覚えろ」
そう言って土蜘蛛殿は優しく私の頭を撫でた。
その温かく優しい手に癒されながら、私は静かに眠りについた。

その後、女郎蜘蛛のことを追いかける女郎蜘蛛とよく似た人物がいたというが・・・それはまた別の話。


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なんですかね、これ。訳が分からなくなりました。
楽しんでいただけていたら幸いです。