BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 桜並木とソフトクリーム ( No.14 )
- 日時: 2018/03/22 15:54
- 名前: 闇帝 (ID: kVKlosoT)
〜人間界・桜並木〜
妖魔界も人間界も春一色に染まり、桜の花がヒラヒラと舞い散る。
恋人や家族連れが集まる桜の並木道に、俺と桜オロチはやってきた。
俺はデートのつもりなのだが、桜オロチは友人同士の付き合いのように考えているようで、無防備な姿をさらしている。
チラリと桜オロチの姿を盗み見ると、彼は美味しそうにソフトクリームを頬張っている。
先程店で買った、期間限定の桜味のソフトクリームだ。
ペロペロと赤い舌をのぞかせて食べるその姿はとても愛らしく、そのまま襲いたくなる衝動にかられる。
それをグッとこらえながら桜オロチを見続けると
その視線に気がついたのか、桜オロチがこちらを向く。
しまった、どう言い訳をしようか。
こちらに気づかれたことに俺が焦りを覚えていると、桜オロチはスッとソフトクリームを差し出す。
「・・・食べるか?」
どうやらソフトクリームに興味があるととったらしい。
そうじゃないんだが・・・と思ったが、こちらとしては都合がいいので訂正はしないでおく。
せっかくなので俺もソフトクリームを少しもらおうと思い顔を近づけ、ふとあることを思いつく。
俺は差し出されたソフトクリームではなく、それを持つ腕をつかみぐいと引っ張った。
突然のことに反応できず、桜オロチはバランスを崩す。
そしてこちらに倒れこむ直前、俺は桜オロチにキスをした。
唇を話す間際にペロリと唇を舐めると、ソフトクリームの甘さを感じる。
本当はもっとしていたいのだがこれ以上はやめておいたほうがいいだろう。
名残惜しげに唇を離すと、桜オロチの真っ赤な顔が見えた。
「ん?どうした?」
その理由を知っておきながら俺は意地悪くそう問いかける。
すると桜オロチはワナワナと肩を震わせ、小声で「誰かに見られたらどうするんだ!」と叱りつけてきた。
俺はニヤニヤと笑うだけで何も言わない。
そんなに怒らなくても、見られることは絶対にないのに。
そんな俺の態度に再び何かを言おうとした桜オロチだったが、ふとあることに気づく。
先ほどまで聞こえていた子供の声や若い男女の声が聞こえない。
それどころか、他に落ちるはずの桜の花びらが空中で静止している。
「時間を止めたのか・・・」
どこかホッとした様子で桜オロチは呟いた。
「当たり前だ。誰がお前の可愛いところを見せるか。その顔を知ってるのは、俺だけで十分なんだよ。」
そんなことを言ってやると、再び桜オロチは顔を真っ赤に染め上げる。
「それならそうと先に言え。ビックリするだろうが」
そう呟くように言うその姿がまた可愛くて。
俺は再び、キスをした。
今度は舌も入れて、深く深く口付ける。
桜オロチは驚きはしたものの、抵抗はしなかった。
桜並木の下で交わしたキスは、甘い甘いソフトクリームの味がした。
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今回は人間界でのデートとなっております。
桜味のソフトクリーム、私も大好きです!
個人的にはバラのサイダーが美味しいと思ってます。(アイス関係ない)
今回のお話も楽しんでいただけていれば幸いです。
「こんな話が読みたい!」というものがあれば全力で書かせていただくので、是非是非お申し付けください!
長文失礼いたしました。