BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマイレブンで自己満小説! ( No.12 )
- 日時: 2019/01/26 22:51
- 名前: らむね (ID: u/mfVk0T)
「鬼道、聞こえるか?鬼道」
豪炎寺が鬼道の頬をペチペチと軽く叩くが気を失っている鬼道からの返事はない。
状況を確認しに来た風丸さんは聞く。
「どんな感じだ?豪炎寺」
「・・・酷い熱だ」
「熱・・・」
豪炎寺の言葉を円堂さんが繰り返す。現実味が増して、鬼道は大丈夫なのかと心配が募る。まだ状況を知らないメンバーが野次のように集まってくる前にと豪炎寺は風丸さんと円堂さんと手短に話をする。
「鬼道のことだ、チームに心配をかけたくはないだろう。軽い貧血だと言うことにして、今日は自主練にしよう」
「ああ、そうだな。わかった俺が伝えるとしよう」
「俺は鬼道を部屋に運ぶ」
「オレも!一緒に行くよ豪炎寺!看病するのに人手があった方がいいだろ?」
「ああ!」
風丸さんが早速メンバーに声をかけてる頃、ソレを近くで見てた俺は淡々と各自の役割分担がされていく様子についていけない。
豪炎寺は片腕を鬼道の首の後ろを通して肩を抱き、もう片腕を鬼道の膝裏へ通し、真紅のマントごと横抱きして軽々と持ち上げる。それは「おおー!スッゲー豪炎寺!」と円堂さんから歓声が出るほど。
抱き上げられ丸まった鬼道はいつもより小柄に見えて庇護欲が掻き立てられる。
でも豪炎寺がやったその行為は、女子の喜ぶ所謂お姫様抱っこというもので、それを恥ずかしげもなく軽々と出来るのにもなんだか不満に思ってしまう。だが、鬼道を抱き上げた豪炎寺は予想だにしないことを言うのだ。
「・・・・・・円堂」
「ん?」
「鬼道、軽い」
「ええー!?」
(はあ!?それ今言うことかよ!?確かにアンタが抱き上げた時、軽そうだったけど)
「ホントか?オレにも抱かせてくれ!」
(いや、語弊うむ言い方やめろ!)
「ああ、いいぞ」
(良くないだろ?!鬼道は赤ちゃんでも物でもないんだぞ!?病人で遊ぶな!アンタら何やってんだこんな時に!)
脳内で盛大に突っ込みを入れる俺は円堂さんが鬼道を豪炎寺のやった同じように姫抱きして「ホントだー!鬼道軽い!」と楽しそうにやった瞬間に何かが一瞬ブチッと切れた気がした。気づいた時には「鬼道は病人だろうがあ!!」と怒鳴り声を上げていた。
一瞬静まり返った空気と目をパチクリさせた豪炎寺と円堂さんは、すぐにハッと我に返って「そうだった!早く寝かせないと!」と鬼道と豪炎寺の部屋へ向かう。
なんだか今の光景を見ていて不安になった俺もついて行くことにした。