BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマイレブンで自己満小説! ( No.15 )
- 日時: 2019/03/06 11:33
- 名前: らむね (ID: WVWOtXoZ)
すぐに顔を離すと鬼道は目を丸くさせ驚愕している表情だった。あんまり見ない顔に少し気分が良くなる。が、それも束の間、自分のやったことを理解して部屋の扉が開く音と同時に鬼道から離れて逃げるように背中を向け部屋を出るために歩を進める。
「入るぞ、鬼道。様子はどうだ」
「鬼道さん、体温計持ってきました!」
コーチの久遠とマネージャーの長髪の女が入って来た。なんだかんだ星章にいた時から一緒の久遠が看に来るのも分かるがそれも少し腹立たしい。すれ違いざまに睨みつけてやる。後ろのオンナは俺を避けて道を開けてくれたから足早に部屋を出ることは出来た。
部屋を出て、自分が鬼道に何をしたのかと思うと顔が熱くなる。何故あんなことをしたのか理解できない。直前に思っていたことは気の迷いのはずだ。鬼道は男だ。同性に変な感情抱くわけない。悶々としながらグラウンドへ向かえる廊下を大股で歩いていると目前から声がかけられた。
「灰崎」
「・・・豪炎寺・・・」
顔を上げると道を塞ぐように堂々と立っていたのは豪炎寺で、足を止める。俺を見ても驚いた表情も無いうえ、何も手にしていない豪炎寺とはバッタリ鉢合わせたと言うよりかは俺を待っていたように思えた。
「鬼道の様子はどうだった」
「・・・久遠とマネがなんとかすんだろ」
俺と目が合うなり口元は軽く弧を描く。ポーカフェイスは鬼道もだが豪炎寺はもっと顔の表情が堅いヤツだと思う。表情の微妙な変化は分かりづらく誤解されることもあるんじゃないかと思う。
わりと穏やかな口調で聞いてきたが豪炎寺を見てると鬼道を思い出してイライラする。それほど鬼道のことを看ていたわけでもねえし、適当に流して横を通る。
素直に道を開けてくれた豪炎寺は隣を歩む。
鬼道と豪炎寺の関係が友達、というようには見えない、でも真実を豪炎寺からは聞きたくない、故にイライラは募る。そんな俺を気にも留めていない豪炎寺は何も言わずに一緒に歩いている。余裕を見せつけているのか、ただ何も考えていないのか。豪炎寺を自慢げにエースストライカーだと語る鬼道も、鬼道の事なら何でもわかると見せつけのように行動できる豪炎寺にも腹が立つ。
鬼道が俺に背を向けて豪炎寺のところへ行く姿を想像しちまってまたふつふつ怒りが湧く。鬼道の放つボールが豪炎寺ではなく俺なら。
俺だってFWだ、豪炎寺と競える材料はあるはずだ。
「アンタには・・・負けねえ」
好戦的に豪炎寺を見れば何の事かは一瞬分かっていなかったがサッカーのことかと思った豪炎寺はその黒い瞳に光を宿し口元は相変わらず薄笑いながらも頷いて少しズレたことを言った。
「ん?・・・ああ、オレもだ!共に世界を目指そう!」
けど、不思議と悪い気はしなかった。豪炎寺と競いながら上を目指して振り向けば鬼道が居る。なかなか悪くねえな。
グラウンドに着くと自主練を始めた。