BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: イナズマイレブンで自己満小説! ( No.16 )
日時: 2019/03/06 15:00
名前: らむね (ID: WVWOtXoZ)


【僕はあなたが憎い】
悠→灰→鬼
ウズベキスタン戦後。
※鬼道さん出ません。
※野坂さんちょっと悪印象かもしれません。
※野坂さんが鬼道さんを嫌いな話。
ーーーーー
野坂視点

灰崎君、キミはどこを見ているんだい?
時折、振り返ってはキョロキョロと顔だけ動かして一瞬止まったかと思えば眉間に皺を寄せて大きな舌打ちをして前を向き直す。
キミは何を探しているんだい?

試合中、審判が敵の仲間だと分かって苛立ち、主審を代えてもらい、グリッドオメガを使った。キミは少し不機嫌になりながら聞いてきたね、そういえばキミも彼とこの技をくらったことがあったんだっけ?
敵を倒す為だと伝えれば笑みを浮かべて許してくれた。キミの異名は嫌いじゃない、好戦的な笑みはキミを際立たせる。
試合にも勝ってキミが僕を誉めてくれたときは結構嬉しかったんだ。

その後、円堂さんが戻って来て監督から一星君の事とオリオン財団のことを聞くとキミは苛立っていたね。誰を想像したのかな?誰に苛立ったのかな?
一星君を救おうと言う意見に反対するキミに根付いているものは何?キミがそんなに否定する理由は何を守るため?

少し興味本位で彼の居た部屋へ向かう。彼の部屋の前で扉を見つめて立ち尽くす灰崎君を見つけた。
平静を保ちつつ笑顔で問いかける。

「やあ、灰崎君。こんな所で何をしているんだい?」
「・・・野坂か。べつに、たいしたことじゃねえよ」

僕を見て視線を逸らしたキミは寂しそうな顔をしていた。すぐに種を返す灰崎君に内心焦って声をかける。

「彼は当分戻ってこないよ」
「・・・ア?」

足を止めて顔だけ振り返った灰崎君は僕を睨んできて床を這うように低い声だったけど僕を見てくれた事は嬉しく思う。
灰崎君から詳しく問われる事は無いかもしれないけど、彼と連絡を取り合っている訳では無いから勘づかれないように自分から話す。
灰崎君が何を気にしているのか、大体分かるけど本人に探りを入れてみたい。彼の本音を聞くため。

「仮にもドーピング疑惑をかけられているから、大会出場は」
「アイツはドーピングなんかするヤツじゃねえ!」
「うん、そうだね。ならキミは何をそんなにムキになってるんだい?」
「・・・鬼道を陥れたアイツは許せねえ、テメェも知ってんだろッ、豪炎寺の怪我もヤツの仲間の仕業だ!」

僕を睨んでくる灰色と赤の綺麗な瞳、背後には禍々しいオーラを放っている。
なるべく落ち着けるように淡々と言い吐き捨てる。

「少し頭を冷やしなよ、全て一星君が指示を出したり行動したりした証拠はないだろ?」
「・・・っ、けどアイツしかいねえだろ!」
「・・・灰崎君、僕らは成長しなければならないんじゃないかな?」
「ハア゛?」
「攻撃の豪炎寺さんが抜けて、中盤と攻撃をカバーしていた鬼道さんも抜けた、今回のように守備の要であった円堂さんも居ない時、僕達の力が試される時だったんじゃないかな?」
「・・・・・・」
「僕が来るまでの前半の試合で何を学んだか考えるべきなんじゃないかな?」

理解してくれているのか、灰崎君は黙って聞いている。

「僕達は世界を感じて世界レベルまで力をつけなければ彼らの足を引っ張るだけなんじゃないかい?灰崎君、強くなって彼らを向かい入れようよ!必要ないと思わせるくらい魅了させてやらないかい?」
「・・・チッ、仕方ねえな。その話に乗ってやるよ」

灰崎君からは僕への敵意はなくなっていた。呆れた表情でぷいっと顔を背けた。彼の隣に並んで廊下を歩く。


恵まれた人間は何もかもを手にする。地位、名誉、金、名声までも。僕はそんな人間が嫌いだ。偏見かもしれないけれど僕とは住む世界が違う。星章学園と初戦で当たった時感じた。鬼道さん、あなたはそれを全て持っている人間だと。
僕は灰崎君のことが好きだけど、彼はどうだろう。僕はあなたが憎い。一度同じフィールドで仲間としてどちらがより良い司令塔なのか勝負してみたい気持ちはあるけれど、あなたが帰ってくる事で灰崎君はそっちへ行ってしまうかな?あなたが帰ってくる事までに灰崎君はこちらの味方にしてみせよう。彼だけではなくチーム皆も。そうすればあなたには何が残りますか?羨望、絆、信頼全てを失くしたあなたは一体どうしますか?

もし一星君が改心した時、鬼道さん、あなたの居場所はもうありませんよ。あなたの居場所は僕のものですから。あなたはもうイナズマジャパンに必要ないと言ってみたい。あなたがする反応が見てみたい。
そう考えるとワクワクが止まらない。容赦はしない。じっくりでいい、灰崎君は僕のものだと突きつけられるように。