BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: イナズマイレブンで自己満小説! ( No.18 )
日時: 2019/03/11 03:41
名前: らむね (ID: WVWOtXoZ)



「やりたいさ。だが、今の俺にアイツらと同じようにサッカーをやる資格なんてない」
「誰もそんなこと思ってないさ」
「今更どんな顔して戻ったらいいのかも、俺には分からん」

豪炎寺は一度鬼道から手を離し、なんとなく鬼道と出会った時のことを思い出す。雷門に乗り込んできて豪炎寺の実力を見る為に円堂や雷門のメンバーをサッカーボールを使って戦闘不能にまで追いやる勢いで、最後の円堂はボロボロだったが負けなかった。チームの強さなどお構い無しにボールを蹴り合う様子に極悪非道だと思っていたが、鬼道には目的があった。

「・・・一星は、何故オリオンの使徒になったんだろうな」
「それが分かれば、これ程苦労はしない」
「なあ鬼道、俺は一度サッカーを辞める決意をした。鬼道は音無と暮らせるように三連覇を目標とし、サッカーに力を注いだ」
「何が言いたいんだ?」
「一星にも何か理由があるんじゃないか?」

先程までの落ち込んで下がっていた眉はどこへ行ったのか、ムッとした不服そうだが頬がやわらかそうに思える表情で顎に手を添え鬼道は考える。
冷静になった鬼道の頭は豪炎寺の言葉を理解出来たみたいだ。

「一星について、少し調べてみよう」

丸椅子から立ち上がった鬼道は先ほどの弱々しい空気は無かったかのように堂々とした立ち姿だった。
上記だけ述べると退室する為に豪炎寺に背を向け部屋の扉へ歩む。
すっかり元気を取り戻したようで良かったと豪炎寺は窓越しに空を見上げる。晴天の青空に飛行機雲を見つける、早くサッカーがしたいと思った。
ふと、扉を開けた鬼道が振り返った気配がして顔を向けると、鬼道は柔らかく表情を崩し微笑みながら言った。

「豪炎寺、ありがとう」

それだけ言うと背を向けて静かに扉を閉めた。鬼道が退室した病室で豪炎寺は目を見開いたまま暫く扉から目を離すことが出来なかった。