BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマイレブンで自己満小説! ( No.19 )
- 日時: 2019/03/21 10:28
- 名前: らむね (ID: WVWOtXoZ)
【真夏の告白】
豪→(←?)鬼→円
雷門で練習中。
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木陰に豪炎寺と鬼道は隣同士で座って休む。動いていないのに地面からジワジワくる熱気と蝉の鳴き声が煩く感じる季節。
それでもグラウンドではメンバーが元気よくサッカーをしていて、ゴールマウスから円堂が皆へ声をかけている。指示から賞賛、要求など。そんな様子に雷門に来て円堂と出会えて良かったと思った鬼道は思わず薄く笑う。
隣にいた豪炎寺には気づかれていないのか、豪炎寺の疑問に思った声が鬼道に届かなかったのかは気にすることではない。
ああ、好きだなあ。単純にそう思ったが恋愛感情はサッカー漬けの日々だった鬼道にはよくわからない。ただ、自分の中で円堂は光り輝く特別な存在なんだという事だけは解っている。頬を伝う汗を首にかけたタオルで拭きながら、豪炎寺に話をふってみた。
「なあ、豪炎寺」
「なんだ?」
「今気づいたんだが」
「ああ」
「俺は円堂のことが好きかもしれない」
「そうか」
「ああ」
淡々とする会話に、そんなに重い話では無いのかと実感する。豪炎寺を見ずに会話した鬼道だが、豪炎寺の声はいつも通りで安心した。優しく温もりのある声。
だが、円堂のことを好きだと告白したならこの後どうすればいいか相談すべきなんだろうかと多少考えるが、蝉の鳴き声に遮断される。こんな暑い中、深く考えるのはよそう、そう鬼道は思ってボンヤリグラウンドのメンバーを見つめていると隣から声がした。
「なあ、鬼道」
「なんだ?」
「ずっと思っていたんだが」
「ああ」
「俺は鬼道のことが好きだ」
「そうか」
「ああ」
先程のように淡々とした会話で、なんとなくで聞いていた鬼道は豪炎寺の言葉をもう一度頭の中で繰り返す。
そうか、豪炎寺は鬼道が好きか。・・・ん?鬼道?
「・・・は?」
鬼道は俺のことだよな?いや、俺以外に雷門で、豪炎寺と俺の知っている人の中で鬼道の名前は俺だけだ。聞き間違いではないのか?豪炎寺が俺を?
信じられなくて呆気にとられた表情で間抜けな声を出してしまったが、そのまま隣の豪炎寺を見た。
自分がグラウンドを見ながら話していた為、豪炎寺もグラウンドを見ているものだと思っていたが、豪炎寺を見た時、豪炎寺は鬼道の目を見据えていた。まるでずっと鬼道の横顔を見ていたかのように。
暑さでか蝉の鳴き声でか鼓膜に膜が張ったような感覚で変に汗が出てる気がする。
豪炎寺は目を逸らさない、熱を持った瞳が鬼道を捕らえている。暑さでか若干頬も赤い。そんな豪炎寺の眼差しに鬼道は言葉を失う。
「豪炎寺ー!鬼道ー!早く来いよー!」
グラウンドから円堂の声がしてハッと我に返ると、豪炎寺はスクっと立ち上がる。豪炎寺はもうグラウンドを見ていた。
「先に戻る」
それだけ言って豪炎寺は駆け足でピッチへ。
豪炎寺へなんと返事をすればよかったのか、そもそも返事をするべきなのか、俺は円堂のことが好きだと告白したばかりなのに豪炎寺はどう思ったんだろうか、何故このタイミングで言ったのか。
豪炎寺の背中を見送ってまたハッとする、慌てて自分も腰を上げ立ち上がるとクラッと視界が揺れた。
脳を休める時間が余計考え込んでしまったと頭を抱える。
ふと顔を上げてグラウンドを見ると円堂が両手を振っている、壁山や栗松が俺を呼ぶ声がした。フィールドの中央に豪炎寺がポツンと立って顔だけこちらへ向けていた。
先程のことを思い出す。
顔が熱くなってきたのは暑さのせいにした。