BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマ!ブレイク組 ( No.2 )
- 日時: 2018/12/20 17:35
- 名前: らむね (ID: EmbmWiOV)
続き
円鬼←豪
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顔を洗って蛇口を捻って水を止め、タオルで顔を拭く。
タオルで顔を覆ったまま深呼吸に誤魔化せる大きなため息を吐いた。
「はあー・・・」
「どうした、ため息なんてついて」
やけに耳に響いた声は顔を見なくても分かるけどタオルを顔から退かして顔を合わせる。
「鬼道か、少し疲れたから深呼吸してただけさ」
「フッ・・・随分思いの篭った深呼吸だな」
俺の隣で同じように顔を洗う鬼道は俺を見透かしたような口振りで笑む。日頃から観察眼の鋭い鬼道に誤魔化しなど聞かないのだろう。
「円堂とはどうなんだ?」
「・・・どういう意味だ」
「お前達のことは円堂から聞いてる」
「そうか」
「・・・進展はしてるのか?」
なるべく平然を装って聞いてみる。
ゴーグルを首に下げた状態の鬼道の赤い目が俺を写す。綺麗な目に吸い込まれそうな感覚で、視線を交わらせ、俺の質問に視線を逸らして鬼道は応えた。
「特に変わったことは無いな、そもそも男同士の恋愛とは何をすればいいのか分からないしな。」
「手を繋いだりキスをしたりするんだろう」
「っそ、そうか・・・」
当然の如く鬼道に恋人同士のすることを教えれば、少し息を詰まらせほんのり頬を赤く染めて相槌を打った。そんな鬼道のウブな反応になんだか可愛いなと思う。特に変わったことがないということは手を繋いだりキスもしたりしていないのか、そう思うとなんだか安心したようなモヤモヤが少しスッキリしたようで。なんだか嬉しかった。
そして俺は気づいた。
「さて、もうじき休憩も終わる頃だろう練習に戻ろうごうえん」
「鬼道、少し頼み事を聞いてくれないか」
グラウンドの方に種を返す鬼道は何か話していたみたいだがそれを遮るように、声をかけながら背中の靡いた青いマントを掴んでやる。振り返った鬼道に俺はゴーグルで見えないはずの鬼道の目を真っ直ぐに見つめて言った。