BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマイレブン!ブレイク組中心 ( No.3 )
- 日時: 2018/12/27 22:41
- 名前: らむね (ID: EmbmWiOV)
「頼みごと?」
鬼道が振り返って体まで向けてくれたのを確認してから豪炎寺はマントから手を離す。普段口数の少ない豪炎寺、彼も鬼道と同様に兄の一面を持っている為、容易に人を頼ろうとはしない。
そんな豪炎寺からの頼み事となると大事な話なのだろう。それも円堂ではなく鬼道に、ということに鬼道自身も真剣に聞こうと腕組みして豪炎寺の言葉を待つ。
だが、豪炎寺から出たセリフは鬼道の思考回路を一時停止させるほど予想打にしないものだった。
「鬼道は俺のこと、好きか?」
「・・・・・・は・・・?」
「なんでもいい、思ったことを答えてくれて構わない」
「なぜ疑問を疑問で返す、頼み事と言うのはソレについて応えてほしいというものか?」
「いや、頼み事の前に聞いておきたいんだ」
「・・・意図がわからん」
謎の深まる豪炎寺の言葉に鬼道は眉間のシワを増やす。そんな鬼道の両肩を掴んで視線を合わせた豪炎寺は真剣な眼差しで言う。
「答えてくれ鬼道、俺のことは好きか?」
間近で見る豪炎寺にコイツは顔が綺麗だなと呑気に鬼道は思いつつ、なぜ豪炎寺がそんなことを真剣に聞いてくるのかは分からないが答えなければ練習にも戻れそうにないなと思うと言い争いなど不要だと判断する。
「好きでなければサッカーをやるのも隣に立つこともしない、お前はウチの頼もしいエースストライカーだぞ。嫌いなやつの方が少ないはずだが」
「そうじゃない!」
「・・・なら、なんだと言うんだ?」
「・・・鬼道は、そういうことに関して鈍すぎる」
「なっ」
豪炎寺の質問に答えたというのに鈍いと言われ、ムッとした直後、近づいてきた豪炎寺の顔と何かが唇に触れたのを感じた。生暖かい何か。
リップ音と共に離れた豪炎寺の顔を呆然と見ることしか出来ないでいる鬼道に豪炎寺は言った。
「俺は鬼道のことが好きだ、鬼道が円堂と付き合っていることは知っている。だが鬼道がソレを恋愛感情だと思えないなら、円堂とは別れて俺と付き合ってくれないか?それが頼み事だ」
「ごうえんじー!きどー!」
グラウンドから聞こえる円堂の声に鬼道は我に返る。隣を過ぎる豪炎寺に声をかける。
「っ豪炎寺!」
「ズルイことして悪かった、でも本気なんだ」
「だが、俺は」
「あとで、円堂にも話す」
豪炎寺にかける言葉を失った鬼道は心で思う。
「(あとでなんて来なくていい)」