BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: イナズマイレブン!ブレイク組中心 ( No.5 )
- 日時: 2019/01/03 23:27
- 名前: らむね (ID: dP/RlTyN)
【ふたりきりになりたい】
円→豪→鬼→円(?)
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「豪炎寺!明日から部活休みだからさ、サッカーやろうぜ!」
部活終了後の部室で着替え中にまだユニフォームを脱いでいない円堂がサッカーボールを両手で持って笑顔でいいながら豪炎寺にボールを突き出した。
ユニフォームを脱いで上半身裸になった豪炎寺は声をかけてきた円堂を見て、口に孤を描きああと二つ返事で了承すれば円堂からはガッツポーズと声が上がる。
なんとも嬉しそうで穏やかないつも通りの風景に皆、顔が綻ぶが鬼道の放った言葉はそれを打ち消す程の重大性があった。
「円堂、なぜ明日から部活が休みになるのか、理解した上でサッカーをするんだな」
そう、部活が休みになる期間は一週間。テスト勉強期間となる為である。勉強が苦手な円堂の内面を知っていてニヤリと口元に笑みを浮かべる鬼道は、悪い顔をしているなと豪炎寺は思う。
周りの空気が重くなったのが嫌でもわかる。その空気からいち早く脱したのは円堂だ。
「っでもテストはまだ先なんだし・・・い、1日ぐらい・・・いいだろ?」
「フッ、それで赤点を取らない自信があるのなら俺は何も言うまい」
「ぐっ・・・!」
鬼道の許可なくサッカーをしてはならない訳では無いのに円堂は懇願するように両手の平を合わせて鬼道の前で合わせる。制服のシャツのボタンを丁寧に閉めていきながらドヤ顔で物を言う学年トップの鬼道に円堂はぐうの音も出ない。
が、豪炎寺は鬼道の少し他人事のような発言に疑問が浮かぶ。
「鬼道は一緒にやらないのか?」
なにを、と言うまでもなく鬼道は豪炎寺の発言内容を理解している。
円堂は豪炎寺と2人でサッカーをするつもりでいたので豪炎寺が何故鬼道も含めた3人でやる前提での口振りなのかと、鬼道が気に食わない訳でも嫌いな訳でもないのに単純にモヤッとする。
「ああ、生憎明日は用事があってな。残念だが・・・また別の機会に誘ってくれ」
「・・・そうか。ああ、そうしよう」
用事があるから自分を交えてのサッカーは出来ないと鬼道が言うと咋に眉根が下がった豪炎寺に慰めと誘ってくれた感謝の言葉を告げれば表情は明るさを取り戻し鬼道もホッとする。
その会話を見てて円堂は、よりモヤモヤしてきて頬を膨らます。
「なんだよ豪炎寺!俺と二人でやるサッカーは嫌なのかよ!」
「「・・・円堂?」」
頬を膨らませて不満を怒号のように放つ円堂に豪炎寺と鬼道は、その意図が読めず同時に言葉を発し首を傾げる。眉間のシワを深くした鬼道は豪炎寺から円堂に向き直る。
「何に怒っているんだ、円堂」
「・・・俺は、豪炎寺とサッカーがしたい」
「テスト勉強より優先するほど点数に自信があるなら俺は引き止めないと言っているだろう」
「っ別にサッカーしたっていいじゃないか!」
「円堂、雷門のキーパーはお前だけなんだぞ?キャプテンが居なければチームも纏まらない」
円堂が何に対してムキになっているかは分からないが鬼道も円堂を心配して言っているのだと、二人のあまり見ない言い合いに周りは巻き込まれたくないと存在感を消す。
「まあまあ、二人とも。さっさと帰らないと部室の鍵閉めるぞー?」
流石は円堂の幼なじみだけあってチームの仲介役、そして本日の部室の鍵所持当番、風丸が間に入ることで途切れた言い合いは帰り支度を始めたばかりの円堂と違い、整え終えた鬼道が自分のロッカーを閉めたことで確実に終止符が打たれたと誰もが思っていた。