BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: たとえ夢であっても ( No.4 )
日時: 2019/03/23 22:23
名前: 空巫女 (ID: Bz8EXaRz)

<第2夢>

私は、目が覚めたら見知らぬ部屋に居た。

「えっ、待って。誘拐?嘘でしょ!?」

ここはどのなのよ...ちゃんと玄関の鍵はかけたのに...

私は完全にパニック状況だった。
急に見知らぬ場合にいるのだから、無理は無い。

「あ、クルフォン、新しい子じゃない?」
「そうなの!?じゃ、その子に会ってくる!」

どこからか、そんな声がする。
私は直ぐ様逃げ出せる体勢になり、警戒する。

「こんばんは、はじめまして...
って、そんなに警戒しなくてもいいです!」

扉が開くと、ひとり、水玉のパジャマを着た黒髪の小さな女の子が入ってきた。小さなといっても、私より小さいだけで、中学生くらいだろう。
流石に中学生なんかが、誘拐なんてするとは考えにくい。
となると何故私はここにいるの?

「こほん、戸惑っていると思いますので、状況説明します。これからいう事は本当です」
「わ、解ったわ」

真面目な雰囲気に変わり、私は先程の警戒等消え、緊張している。

「ここは、夢の中なんです」
「は?」

“夢の中”。そんな言葉に、私は耳を疑った。

「疑ってますね!?本当に夢の中なんです!
ここは、何かしら悩みを抱えている子達が集まってるとこなんですよ!」

必至に私に信じさせようとする少女。

曰く、この夢は様々な場所にいる複数の人が同時に見ている。今の様に話すことの他、触る事もできるそう。解りやすく言うと、寝ている時だけ、離れた場所に居る人と会える。
曰く、この夢を見るのは、何かしら悩みを持っている中高生。私なんかは学校とバイトの連続で、自分の時間がない事だと思う。大学行きたいなんて思っているけど、現状で大学に行くのは無理だろう。
曰く、この夢から覚める時に持っていた、或いは身に付けていたり、ポケットに入れていた物は現実に持っていける。
曰く、夢の中では、現実で身体の不自由があっても問題ない。例えば、現実では足が動かなくても、夢の中では歩けるという事だ。まぁ夢だしね。
曰く、語源については、自国の言葉に変換されるそう。
曰く、夢の中は好きな環境にできるそう。

「信じて、くれますか...?」

上目遣いで私を見る少女。

「はぁ...信じるしかないでしょう。貴方が言ったことを否定したら、この状況を説明出来なくなるから」

私はため息まじりでそう告げると、少女の顔がパッと明るくなった。

「ありがとうございます!えっと...お名前を伺ってもいいですか?アタシはクルフォン。クルフォン・スノーウィル。中学3年生です。イギリス人なんですけど、ちゃんと日本語喋れますからね!」
「私は小雪朱那。高校1年生よ。あと、喋るのはタメ口でいいから」
「解った。宜しくな、シュナ」

お互い、自己紹介する。
クルフォンはニコッと微笑んだ。

「時間は...まだ0時半...このまま、この夢にいる友達にシュナを紹介したいけど、いいか?」
「ええ、構わないわよ」

首をかしげるクルフォンに、私は了承してみせる。

「なら行こう!皆は大広間に居るから!」

クルフォンは私の手を掴むと、引っ張って部屋を出た。