BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: れいぬくんと莉犬くん ( No.52 )
- 日時: 2019/05/25 19:50
- 名前: 佐藤。さん (ID: J69v0mbP)
「ただいまー」
「おっかっえっりいぬ!」
ジェルくんが俺を慰めるようにニッと笑った
「......」
「ただいま」
ころちゃんが何事もなかったように家に入ってくる。その姿にムッときた。
「ねえ、ころちゃん」
「なに?」
ころちゃんは俺を睨みつけた。
「......なんで元の飼い主のところへ返したの?なんで元の飼い主の家を知ってるの?」
「......勘」
ころちゃんの答えにプッと吹き出しそうになるのを耐えた。こんなところで笑う訳にはいかない
「じゃあなんでれいぬがころちゃんにすごく馴れ馴れしかったの?」
「それは...っ」
ころちゃんが言葉に詰まった。いきなりその横からなーくんが口を出す
「正直に答えて。」
ころちゃんは目を逸らして、「はあ...」とため息をついた
「実は、僕が元の飼い主だったんだ、本当の」
「えええええっ!?」
その場の全員が呆然とした
「元...って言ってもあの女の子が元。れいぬはそこの公園で出会って、野良犬と思ってたんだ。多分、女の子の家から出てきたんだと思う。。んでーれいぬと住みはじめたんだけど、ペットを飼ってることでご飯もやっと食べられる状態になっちゃって、だかられいぬを捨てちゃったんだ。それを莉犬くんが拾ったって話。僕もあのポスターの存在を知って、実は焦ってた。だから返さなきゃってなって...」
さとみくんがうんうんと頷く
「だから拾ってくださいのポスターがあったんだな」
みんなが「そうだね」と口を揃えて言った。こんな大切なことを言わなかったのに少しも責めないで、分かってくれているみんなにころちゃんは感謝の涙をうるっと浮かべた
俺は全速力で家を出ていく
「おい!莉犬!どこ行くんや!」
ーー雨が当たり、俺は充分濡れていた
「はあはあ...」
確か女の子の家はここだよね...
まあ...戻ってくるわけなんてないんだけど
でも、、、れいぬの顔を見たい
ちょっとでいいから出てきて...っ!
「れいぬ...!」
ガチャとドアが開き、女の子のお母さん(?)が出てきた
洗濯物が濡れてしまうから中に入れようと焦っている
れいぬ!?!?
ドアの隙間かられいぬがでてくる
「くぅ〜ん、わん。。」
弱々しくれいぬが鳴く。このまま戻ってきてほしいけど、それは出来ない
れいぬの顔を見れたら充分だよ。
俺はその場に立った
「れいぬ......幸せになってね...」
大粒にうたれながら呟いた。
れいぬはお母さんに家に連れて行かれる
いつの間にか俺は泣いて...
その時、誰かの傘が俺を雨から守る
「莉犬くん...帰ろう?」
ころちゃんの声がする。こんな顔を見せたくないからそっぽを向きながら頷いた
「ころちゃん。」
「なあに?」
「.........れいぬの顔見れた、ありがとう」
「...うん、そんなことより」
「え?」
「誕生日おめでとう。」
「...っw遅いよ、昨日だよ」
「ごめんごめんww」
ーー
「ただいまー」
部屋に入るとみんなが壁を飾っているのが見える
「「「「「あ」」」」」
と、5人含めるりけんくんと遠井さんが焦った顔になった
あれ?これって、サプライズを潰しちゃった...?
「とと、とにかく!莉犬くん!誕生日おめでとう!」
パァんっとクラッカーがなる。
「みんな...ありがとう」
ーーこれで俺とれいぬの出会いの話は幕を閉じる