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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 小野寺と桐山 ( No.8 )
- 日時: 2019/09/06 16:56
- 名前: ナビ (ID: uqFYpi30)
講義が終わるまで15分程度だったと思うが、その時間はとても長く感じた。
講義が終わって、辺りがざわざわしだす。キャーキャーと黄色い声も慣れたものだ。俺の名前を呼ぶ女の子たちの声が聞こえても返事はしない。耳に膜を貼ったように聞こえぬふり(別のことを考えてたから本当に聞こえなかったかも)で教室を出て中庭へ向かう。
周りに集まって道を塞ぐような子達はいくらでも居たけど今日は、服の袖を軽く引っ張ってきたり肩を叩いてきたり、俺の気を引こうとするしつこい子まで居るみたいで、気のないふりをカマしていた。
中庭に着く頃に首に腕が巻きついてきて背中に重みが加わった。
「っ!?ちょっと、しつこ・・・」
「小野寺、おはよっ!」
誰かが上に乗ってきたことがわかる。急な重みに腰が曲がって思わずおんぶみたいになって、抗議の声をあげようと顔だけ振り返ればふわっと知ってる香りがした。
思わず、言おうとした声が喉をつっかえて、耳にかかる声は落ち着いた低めのハスキーボイスだった。
俺と目が合うなり、歯を見せて笑ったのは俺の憧れの桐山さんだった。
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