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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 赤い糸を結ぶ ( No.5 )
- 日時: 2022/01/20 16:32
- 名前: ほしうらら (ID: f7aWX8AY)
おねぇちゃんはうちに戻ってきてくれなかった。
一応母にメールで事情を伝えてはみたけれども。
それから彼女は数日姿を見かけなかった。というか彼女はうちの近所なのかも分からない。
不安が募りながらも私は学校に行ったものの授業を集中することは出来なかった。
「天ち今日テンション低くね?」
帰り際、友達が私の顔を見つめ私の体調を尋ねてきたがとっさに「うん」と答えてしまった。精神的に余裕などないのに。
駄目だなぁ、私は、とため息をつく私を友達はどう思ったのか。
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「おねぇちゃん!」
私が家の前で来ないかと待っているとおねぇちゃんらしき人が見えた。
「天ちゃん、ごめんなさいね遅くなっちゃって…」
「遅すぎだよ、もう」
私はおねぇちゃんに駆け寄り手を握っていた。私は自分からやっていることが恥ずかしくなってしまった。
「…ごめん」
「何が?」
きょとんと首をかしげるおねぇちゃんを見てクスリと笑みが溢れた。おねぇちゃんは昨日感じた怖い雰囲気はなかった。
やっぱりポン枠だ、おねぇちゃん
「…あの、天ちゃん」
「ん?」
「すっごい…図々しいのだけれど」
と、遠回しに何かを伝えようとしている。
「貴方の部屋に住ませてもらってもいいでしょうか…?」
「あ、え?」
私はぽかんとしていた。住む?住む?
私の部屋で?一緒に?
「…えっとね、色々あってね」
「へ…へぇ?」
捜索願を出されるくらいだから、実家暮らしな訳がなく。つまり住んでた場所を追い出されたのかもしれない。
「ごめんなさい、お願い…」
「え、えと、まぁ、いいよ」
とりあえず許可を出してしまった私。
おねぇちゃんはほっとした笑顔をした。
これからおねぇちゃんとの同棲が始まってしまったのだった。
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