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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 赤い糸を結ぶ ( No.7 )
- 日時: 2022/02/19 21:45
- 名前: ほしうらら (ID: f7aWX8AY)
「おねぇちゃん、はい」
私は後日合鍵を渡した。
「荷物取りに行くんでしょ?私今日部活で遅くなるから」
「あ、ありがとう…ございます」
「どうしたの?改まって」
しゅんと犬が尻尾を振るのを止めたかのような表情をする。ちょっと可愛い。
「迷惑かけてるなぁ、と」
「いいよ、一人暮らしも心細かったしね」
「でも食事代とか光熱費とかちゃんと出しますから」
「親が出してくれるよ、説明したし」
「駄目」
真面目だなぁ、と関心する。まぁそうか、親も負担大きくなるしね。おねぇちゃんの考えは正当だ。
「そんじゃ、学校行ってくるね」
「いってらっしゃい、天ちゃん」
手を振って送り出してくれるおねぇちゃん。
何だか心が温かい
********
昼休憩が終わりに差し掛かるとおねぇちゃんから連絡が来た。荷物運び終わったそう。
荷物置けたかな?一応ちょっとスペースは作ったけど、などと不安になりながら「お疲れ」と返信した。
「そーらち!」
「うわびっくりした」
「えー何々?彼氏?」
友達は私のスマホをまじまじと見た。
「荷物…運び終わった?」
「トラックとか運転してる人と付き合ってんの?遠距離とかならん?」
「彼氏違う、トラック運転手違う」
友達二人の質問を否定する。
面白くなさそうな顔をしているがほっとこう。
「あ、そーそー、昨日彼氏とキスした」
「まじぃ?付き合って一週間でしょ?早くね?」
「私の中じゃこんなもん」
「…キス?」
その単語で思い出した。
私、おねぇちゃんと…
「私、トイレ行ってくる」
「んー」
「いってらー」
私は逃げるように教室を後にした。
赤くなった私の顔を隠すように。
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