BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 不器用なボクら 【創作BL】 ( No.2 )
日時: 2022/01/20 18:52
名前: みっつまめ (ID: Btri0/Fl)

 ある程度自分の荷物が片付き、小窓から外を眺めると陽が沈んで薄暗くなっていた。お腹が空いてきたこともあり食堂へ向かうためにロフトから階段を降りていると部屋の扉が音をたてた。

「ふぅ~、おっ転校生?」

 首にタオルを掛けたジャージ姿の金髪とバッチリ目が合う。俺を見た途端に笑顔になった青年は俺が名乗る前に自己紹介した。

「俺、菊池俊介きくちしゅんすけこれから同室だから、よろしくな!」
「俺は相馬慧斗そうまけいと、菊池くんみたいに愛想いい人が同室で良かった、ご迷惑にならないように気をつけます」
「そんな堅くなんなよ、同学年って聞いてるしタメで話そうぜ? 俺のことは俊介でいいし俺もお前のことは慧斗って呼ぶから」

 淡々と話す青年は脇に抱えたサッカーボールを階段脇に置きジャージを脱いで着替え始める。青年の後ろを追いかけるようについて回る小学生低学年の少女を眺めるが、ジャージとユニフォームの上を脱いだ青年が振り返って自室の出入り口から動かない俺に首を傾げる。

「どうした? ハッ、もしかして下の名前で呼ばれるの嫌いだったりする?」
「え、あぁ、いや今日の食堂のメニューってなんだったかなと思って」
「ああ~そういうこと、イケメンがボーッとしてると割と怖い顔だからビビったわ」
「いやいや、イケメンじゃないし」
「謙遜すんなって。 俺も腹減ったし、一緒に行こうぜ」

 彼には少女がみえていないらしい。まあ危害を加える様子もないし、放っておいても平気だろうと判断して、ズボンと服を着替え終えた俊介と一緒に寮の食堂へ向かった。