BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 不器用なボクら 【創作BL】 ( No.3 )
日時: 2022/01/21 00:25
名前: みっつまめ (ID: Btri0/Fl)

清水聡志きよみずさとしside

「そういえば、この間話してた転校生って今日から入寮らしいぜ」
「あ、おれ昼間 来間先輩(寮長)に連れられて歩いてんの見たぜ! 目が青かった!」
「なんだそりゃ目が青いのはイケメンしか許されねえだろ、カラコンじゃね?」
「カラコンかは知らねえけどイケメンだったぜ」

 食堂で讃岐うどんを食べていれば近くに居た寮生が大ニュースを語る口調で話し始める。情報共有とでも言うかのように他の寮生もその話題をつなげ始める。
 どうせ入寮するなら来間からも話があるだろうと、話題には耳を傾けつつ素知らぬふりで麺をすする。

「いきなり高2に転入ってことは頭は良いんだよな、スポーツとか運動面はどうなんだろうな?」
「来間先輩より足速かったらやべーな」
「顔も良くて頭も良くて運動も出来るなら、もう私服がダサいとか私生活で勝負するしかなくね?」
「いや、口が悪いって可能性もあるぜ!」

なんや会話が変な方向にズレてきよるな…

 登場しても居ない本人の弱点が無いかと探るのは女子にモテない男子の会話ならではでもある為気にしない。讃岐の汁を軽く飲んで食器を置けば軽く腹が膨れたのを確認して、紙パックのお茶を飲んでいると隣に座っている木崎きざきが声をかけてきた。

「俊介と同室なんだとよ、俺たちの部屋の向かい側だな」
「ほぉーん」
「なんだよ、あんま興味なさそうだな、注目の的だぜ?」
「まあ、会ってみぃひんことにはなんとも言えんやろ」

 典型的なイケメンなど興味が無い。残念な部分があってこそ人間味があって面白いからだ。いつの間にか盛り上がる寮生の中心に来間は到着しており、より騒がしくなったかと思えば、話題のイケメンくんが到着した合図だった。