BL・GL小説 （オリジナルで全年齢対象のみ）
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- シュレーディンガーの猫
- 日時： 2014/01/11 20:07
- 名前： り@ ◆N4FULXO5wE （ID: 8.g3rq.8）
（猫なんて、とっくの昔に死んでいたよ）
もしまだ箱を開けていなかったならば、そこに自分と彼が"普通"である未来が存在していたのかなんて、そんなくだらない妄想をする。
[****]
いらっしゃいませ。
オリジナルBLの短編を主に、たまに長編だったり版元だったり書きあいっこしたりしてます。
小説の傾向とかじこひょーかすると、
ふわふわ甘い話か、病み目に悲しい話かどっちかです。あと体調不良ねたが多いです。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[**短編**]
>>>1（自殺志願）
>>>2（キスまで）
>>>3（むしろ詩）
>>>4（意味なし）
>>>30 ()
>>>31 (リップのはなし)
>>>52 (薬物中毒、)
>>>53 (食欲不振、)
>>>56 (月やあらぬ/伊勢物語創作)
>>>58 (詩ふたつ)
>>>64 ()
>>>72(心的外傷後ストレス障害……の略称なんだっけ)
>>>77(NL/しごのせかい)
>>>78(NL/残された人たちの話)
>>>83(GL/"きらきら"についての考察)
[**シリーズ**] →おりきゃらさん。
〈佐野×ゆーき〉
>>>6（人物紹介）
>>>7-8（初々しくちゅっって）
>>>9（甘くてゆるいお風呂）
>>>10-11（重めな喘息発作、）
＜優×真琴×優> リバちゅーい！！
>>>（人物紹介）
>>>47 (また風邪ねた、)
>>>94(嘔吐注意！、)まだ続く。。
>>>95(同性愛)
（長編）>>>87-88>>90-91（性描写注意）
[**二次小説**]
マギ〈シンジャ〉
>>>18（きゃいきゃい）
>>>19（暗い重い）
ポケモン〈ミナマツ〉
>>>20（マツバ独白）
ＳＨＥＲＬＯＣＫ〈Ｓ/Ｊ〉
>>>22（自称ギャグ）
カーニヴァル〈朔平朔〉
>>>34-36 >>40-41 >>44（自殺志願。誰おま）
[**捧げ物**]
□真兎さま〈俊×淳哉〉
>>>14（可愛らしく書こうと思って）
>>>15（会話だけ）
□冬華ちゃん〈空×星〉
>>>16-17（風邪ネタとか、）
□拓華ちゃん〈２斗×１太〉
>>>79(中学生なノリで！)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[**自己紹介等**]
>>>13（りーについて）
りー＊なう！「12/26 リバの二人を書いてたりいろいろしてます。もう少しで短編書きあがるかな—。。」
（うちの子ご自由にお描き下さい。）>>96
＊情緒不安定、風邪、病ネタ好きさんに送る商業BL誌集>>>81
[**履歴**]
2013-03-30>>創立
2013-03-30>>「瓦解するアリスブルー」
2013-07-13>>参照1000突破
2013-08-16>>「片耳ピアスの陶酔」
2013-10-01>>参照2000突破
2013-11-29>>「シュレーディンガーの猫」
2013-12-20>>参照3000突破
こんなにたくさんの方にクリックしていただけたなんて！ってびびりつつ幸せを噛み締めてますありがとうございます！！
（シュレーディンガーの猫）
- Re: シュレーディンガーの猫 ( No.96 )
- 日時： 2014/01/11 20:05
- 名前： りー ◆N4FULXO5wE （ID: 8.g3rq.8）
- プロフ： http://4step.jeez.jp/chu29/
【うちの子ご自由にお描きください同盟】
HPないから参加できない！ってずっと思ってたこの同盟に、カキコスレで参加しちゃおうと思いたちました（笑）リンクは参照！
や、別に参加ってゆうか自己申告。。。
- Re: シュレーディンガーの猫 ( No.97 )
- 日時： 2014/01/14 20:25
- 名前： りー ◆N4FULXO5wE （ID: l1OKFeFD）
（メンヘラちゃん）篠原レイ×（自己犠牲主義）名波橙馬
「とうまー……、服、」
風呂から上がったレイがバスタオルを巻いたままリビングをさまよう。髪から落ちた雫がぽたんとカーペットに染み込むのが目にとまる。
ソファで本を読んでいた橙馬は、まだちょっとふらふらしてる、と内心彼を案じた。
とはいえ、彼が出血多量で病院に運ばれたのは昨日のことだ。輸血もしたし、今日一日仕事を休み療養に励んだのだから、そう心配することはないだろう、と橙馬は思う。
それに、彼もたぶん、死なないように考えて手首切ってると思うし。自分が心配するようなことは、きっとない。
ぽたん、とまたカーペットの茶色が水滴色に染められた。
「ちゃんと、拭いてから来て下さいって。ーーー服ならベッドの上」
そう忠告するが、レイは聞いているのかいないのか、んー……、とおざなりに返事をしただけだ。橙馬はひっそりとため息をつく。
伝わってるのかな、それとも伝わってないのかなぁ。
ーーーいろいろと。
「とーま？」
「なに？」
「明日も、仕事休んでいいかな？」
「だめに決まってるでしょ、」
「でも今日は橙馬いなかったから、楽しくなかったし」
「楽しむために休んだんじゃないの分かってます？」
「わかってる、けど」
彼はぶう、と膨れてベッドに倒れこむ。目を閉じると、いつにもまして物憂げに見える。
やっぱお風呂はしんどかったかな、とか思ってしまって、だけどすぐに撤回した。
だって分かってない、ほんと。自分の恋人は、なにもわかってないなぁと思う。
こういうことを、面と向かって言うのは流石にはばかられる。こちらがわの悶々は、ひとさじも彼に伝えたくないのだ。どうして溢れた器に、負の感情を注がなくちゃいけないだろう。それは十分わかってるつもりで、ほんとは、いつもは、ちゃんと受けとめられるのに。だけどたまに、自分の中の苦しさに任せて、言ってしまいたくなる。
自分のしてることの重大さとか、分かってるんですか、って。
だって、救急車呼ぶのももう慣れたけど、俺は、彼の恋人で、そこには愛が存在してて、死にかければ、普通に心配するし、怖いし、恐ろしいし、そのへん、どうなの。
どーせ分かってないって、そのことにいらいらしている。ああ自分機嫌悪いなって思った。
お風呂、入ろう。
橙馬は読みかけの本をテーブルに置いた。
「橙馬」
レイが名前を呼んだ。
ベッドの上の彼に目をやると、ばちりと視線が合ってからまった。眠そうな目に、とらわれる。そんなつもりじゃなかったから、橙馬は驚いた。
「ごめん」
「へ、」
「ごめんね？」
「………なにが、」
唐突な謝罪の言葉に、しまった、と思った。なにが伝わっただろうと怖くなる。
本当は伝えたくない。苦しい気持ちも、悲しい気持ちも。嫌なんだ。彼を傷つけてしまう。自分の負の感情が、彼の手首から流れ出す血液の何割を占めるのか、考えるのも怖かった。彼を苦しませたくなんてないのに。
「、好きだよ」
寝転がったままで、彼は言う。
なんで、の問いの答えは返ってこないままだ。誤魔化された。もしくは彼があえて避けたのならば、優しいな、と思った。
「………俺もです、」
「あしたは、仕事行くね」
「………ありがとう」
彼は目を閉じた。
橙馬は髪を掴んだ。閉じられた目を綺麗だと思う。同時に儚いとも。綺麗で、儚くて、そして守られるべきものだ。
睫毛がふわふわと揺れた。
あ、泣きそうだ。
橙馬はそれに気付いて、わざと目をそらした。
どうして自分はいつも、彼を悲しませてしまうんだろう。
立ち上がって、ベッドの端に座った。潮の満ちた彼の瞳を拭う。するとぼろぼろ零れ落ちる水滴は止まらなくなった。
「世界のなにより、君を愛してるはずなんだ」
染み込む、水滴。
「なのに、また君を怒らせた」
「、怒ってないです」
「じゃあ呆れた？」
橙馬は首を横に振った。
違う。
怒ってたわけじゃない。
ましてや呆れてたわけでも。
そうじゃないんだ。
ただ、心配で。
失うのが、怖くて。
伝えたいことは何だっただろうか。
分からなくなる。
自分だって、なにも分かっていないんだ。
橙馬は彼の耳朶に、浅く爪を立てた。
（彼が傷つかなければ、ただそれでいいのに）
//中学の頃書いたやつが出てきたから打ってたら、だいぶ趣の違うものになった（笑）ほとんど書き直しっていう。レイ×橙馬は中学のときのオリキャラさんでした。二年くらいはまってたけど、作品残ってないw でも書いてることたいして変わんないなぁと思います。
「橙馬は吐息に想いをこめるのだ」って地の文が書き直し前の原稿にはあった。
- Re: シュレーディンガーの猫 ( No.98 )
- 日時： 2014/01/14 20:45
- 名前： りー ◆N4FULXO5wE （ID: l1OKFeFD）
突然に抱きしめられた。
「君さぁ、僕のこと、好きでしょ？」
耳元で囁かれる意地悪で甘すぎる言葉に、いつもなら少なからず時めいてしまうのだが、今はただいたたまれない気持ちでいっぱいだった。
そんな言葉、聞かせないで。
ーーーなんて、ずいぶんと勝手だって、わかってるけど。
認めたら、今ギリギリで保ってる境界線が、崩れて、消え去って行くような、そんな気がするから。
「そんなわけ、ないだろ」
自分にも言い聞かせた。
大丈夫。
知らないふりも、自己暗示も、もはや十八番。大得意だ。
ふんわりと香るこの家のものじゃないシャンプーの香りも、最初から自分のものなんかじゃないと思えば、なにも怖くなんてなかった。
「なに、考えてる？ 当ててみせようか？」
「ーーー……っ、」
「何？ 詮索、嫌い？」
「、嫌に決まってる」
「じゃあ、僕と暮らすなんて、無理な話じゃない」
的をいた質問に言葉につまると、彼にしたり顔で笑われた。
「ほら、僕のこと好
「止めろ」
大嫌いだ。
お前なんて、全部、大嫌いだ。
性格も、人を見透かした態度も、明るく染めた髪も。
大嫌い。
ーーーだけど、お前のこと嫌いになれない俺自身のことはもっと、
//
昔の発掘シリーズその二。
攻めの彼が嫌なやつすぎて笑うわ。
- Re: シュレーディンガーの猫 ( No.99 )
- 日時： 2014/01/14 20:50
- 名前： りー ◆N4FULXO5wE （ID: l1OKFeFD）
古典を中心に好きなのあつめ。
いとほし
（愛おし）（いと欲し）
（この前のテスト）
ゆふゆふたり
（髪はゆふゆふと流れて）
（ゆったりと）
（問題集）
ゆるるかなり
（源氏の若紫）
てめえ、よくすてきだといふぜ
（ミスマッチ感がいい）
（浮世床 滑稽）
あいなう
（ただもう）
（単語帳）
いうなり
（優なり）
（優美/優れている/優しい）
推定とか婉曲とかの助動詞すきです。
らし、めり、らむ
（らしい、ようだ、ようだ）
まし
（反実仮想）
（あの子がいたらよかったのに）
ずるい
（現代語）
（じゅうぶんずるいし、ひどい）
（狡い）
いさ
（さあどうだか）
（人はいさ、心も知らず）
（和歌のほうにも人はいさのやつ載せてる）
//好きな言葉シリーズその三。
この前中国に行ってきたんですが、漢字がきらっきらしてて、楽しかったです。。
「星星索」これ日本語にしたら、「星々を探す」かなぁ？？なにそれ素敵。なんて読むんか分からんけど！メレンゲ固めたみたいなお菓子でした。
「星々索」こっちのほうが素敵かもしれない←勝手
- Re: シュレーディンガーの猫 ( No.100 )
- 日時： 2014/01/28 07:59
- 名前： りー ◆N4FULXO5wE （ID: clpFUwrj）
高校一年の五月。
『ごめん、早退する』
メールが届くなり、またか、と思った。
彼の体がみんなと同じように出来ていないことは幼馴染の自分がよく知っているはずだった。それなのに、高校でクラスが別になって以来、こんな風にメールで知ることが多くなった。ちなみに言うと彼はメール無精だから、必要なかったら送ってもこないし。今日だって、早退の知らせが届いたのは、部活のない月水金は一緒に帰る決まりだからって、それだけだ。
『いま、どこ？？』
簡単に打って返信する。
『保健室、』
『じゃー俺そっち行くわ』
『いーけど、、それならリュック持ってきてくれる？』
『了解』
もちろんそのつもりだったけど。
中学までは、いつだってそれは俺の役目だった。
慣れたその役目だったけれど、彼のクラスルームに入ったとき、なんか違う、と思った。そこは、彼の場所なのに、俺のではない場所だった。俺の知らない、彼の姿。
「ーーーあれ、帰るの？ あいつ」
唐突に前に座っていたやつが振り返って、見上げてきた。
知らない顔。
坊主頭。
たぶん野球部。
「あー、うん、貧血的な」
「は、身体弱いな」
屈託なく笑う。
あ、多分、いいやつ。
と思ったら彼はごそごそと机を探ったかと思うと、席を離れていってしまった。別に興味もないので俺は仕度を続行した。
淡い水色の、眼鏡ケースを手にとる。あ、これ、見たことない。というか、彼が眼鏡をつけているところ自体も。
（俺の知らない、）
それをオーカーに染められたリュックに突っ込んだ。高校に入る前、一緒に買いに行ったやつ。
きゅっと口を縛って、チャックを締める。あ、予定メモっとかないと。急がないと、昼休みが終わってしまう。最近、というか高校に入ってからというもの彼は休みがちで、あまり喋れていないし。
あとは予定とって、と顔をあげると、さっきの坊主頭が、ノートの切れ端を差し出してきた。
「はい、これ」
「？」
言われるままに受け取り開くと、くそみたいに汚い字で明日と明後日の予定が書き写されていた。
俺は驚いた。
うそ、めっちゃ優しいやんこいつ。
「ありがとう……！」
「や、そこまで感謝されても」
「助かった」
「おう、あいつによろしくな」
ああ、と答えてクラスルームをあとにする。
いやまあ多少の演技が入らなかったというわけではないけれど。
なにあれ、すげえ、いいやつ。
保健室に入るとカーテンの一つが閉まっていて、女の養護教諭がテーブルでコーヒーを飲んでいた。俺の顔を見ると、いらっしゃい、とカーテンの方を指す。喜ばしくない顔パスだ。
とはいえ、この一ヶ月と少しで、何度目と知れないこのやりとり。当然か、と思う。
「大丈夫？」
薄くカーテンを開いて、声をかける。彼は真っ白いシーツに埋れていた。思っていたほど顔色が悪くなくて、少し安心した。
「………あ、」
ふるりと睫毛が揺れて、眉がしかめられる。眩しい、と怒られたようなものだったので、俺はカーテンの中にすっかり入りこんだ。
リュックを脇の洗面器の隣に置く。
「………ありがと」
「ん、、声掠れてる」
「寝てた」
この10分でか。
「……疲れる？」
「ん、んー、まぁ。そのうち慣れるから」
「なんか保健室登校みたいだよ、お前」
「それ言うな」
「クラスに友達いる？」
「………いるよ」
「は」
「いや、ほんといるって、たぶん」
「それならよかった」
よかった。
よかった、と心の中で噛みしめてみる。幼稚園と小学校は満足に行けなくて、ほとんど友達のいなかった彼のことだ。よかった。それなのに、なんか、それを喜べない。中学みたいに俺の知ってるやつならまだいいけど。さっきの男を思う。ーーーなんなの、あいつ。
（あほか、）
どうかしてるのは自分だ。
嫉妬かよ。
気持ち悪い。
だけどだって、彼の世界が俺だけだったことが、ついこの前のように思えて仕方ない。
………独占欲ってやつ？
「ねえ」
「？」
「こっちむいて、」
ゆるく声をかけると、まくらに顔を伏せていた彼は、なに、と左の指だけで返事をした。とんとんと叩かれるベッドシーツ。
「めがね、」
「あー、そういや買った」
「目悪かったっけ」
「ふつう」
「かけてかけて。見たい」
「やだ」
「なんで」
「やだから」
終着点どこだ。
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